Jリーグ FC琉球

琉球監督解任の樋口靖洋に対する新潟指揮官の粋なメッセージが話題「素晴らしいリスペクト」

Y.S.C.C横浜指揮時の樋口靖洋氏(写真左) 写真提供: Gettyimages

 明治安田生命J2リーグのFC琉球は20日、樋口靖洋監督の解任を公式発表した。そんな樋口靖洋氏に対して、アルビレックス新潟を率いているアルベルト・プッチ・オルトネダ監督の送ったメッセージが反響を呼んでいる。

 樋口靖洋氏はモンテディオ山形や大宮アルディージャ、横浜FCなど複数クラブで指揮を執った後、2018年12月にFC琉球の監督に就任。就任1年目の2019シーズンをJ2リーグ14位で残留を果たすと、昨季も16位で終えていた。そして迎えた今季は開幕から上位争いに食い込んでいたが、元コスタリカ代表GKダニー・カルバハル(32)やGK田口潤人(25)、DF田中恵太(31)など主力選手で多くの負傷者を抱えたこともあり、夏場以降に失速。特に9月以降はリーグ戦7試合で1分6敗と勝利から見放されていた。

 これに伴い、クラブ首脳陣は樋口靖洋の解任を決断。同氏はクラブ公式サイトを通じて「残り8試合を残してチームを離れる事になり、チーム関係者、選手・スタッフは勿論、これまで応援して頂いたファン・サホーターの皆様に大変申し訳なく思います。最後までやり切れなかった事は、本当に残念であり悔しい気持ちが強く残っていますが、 J1昇格の可能性がほぼ無くなった事と、直近の戦績の結果責任は監督にあり、このクラブの判断は受け入れなければいけないものだと思っています」

 「FC琉球では3シーズンに渡り指揮を執らせて頂きました。ホップ・ステップ・ジャンプとチーム力を上げ、3年後には J1にチャレンジするという目標をクラブと共有し、チーム作りを行ってきました。今シーズン、9月以降難しい試合が続き失速してしまいましたが、シーズンの2/3を昇格の可能性を持って戦うことが出来ました。これは選手の成長と頑張り以外の何ものでもありません。共に戦った選手・スタッフを誇りに思います」

 「昇格という目標は叶いませんでしたが、『沖縄の青い空と海に似合う攻撃的なサッカー』を貫き、そのスタイルを積み上げ、クラブの礎となるものは築けたのではないかと思います。コロナ過の難しい状況にも関わらず、練習グラウンドを御提供頂いた自治体の皆様、いつも素晴らしいグラウンドを用意して頂いた、芝生管理の皆様、経済状況の厳しい中でもご支援を頂いたスポンサーの皆様、そしてスタジアムに足が運べない中でも応援を続けて頂いたファン・サポーターの皆様、本当にありがとうございました。今後のクラブの発展とFC琉球に関わる全ての皆様のご健勝を心からお祈り申し上げます。これからは、FC琉球のファンとして大好きな沖縄を訪れたいと思います」とコメントを残している。

 そんな樋口靖洋氏に対して、アルビレックス新潟を率いるアルベルト監督は自身のSNSアカウントを通じて「尊敬する同志の樋口監督、お疲れさまでした。今シーズンのあなたの偉大な仕事を心から祝福致します。常に素晴らしいサッカーを目指しているあなたのチームと対戦できたことを光栄に思います。樋口さんの今後の更なる活躍を心より祈っています」とメッセージを送っている。これには、Jリーグのファンから「素晴らしいリスペクト」などとアルベルト監督を称賛するコメントが寄せられている。

 なお、アルベルト監督は以前、J2クラブで監督解任が相次いでいる状況に対して「前半戦を終えた今、既に7人の偉大な監督たちが解任されたことを記憶に留めておきたいです。この職業は多くの苦悩に満ちており、時に正当な評価を得られないことがあります。あなたたちと対戦できたことを大変光栄に思います。 みなさんの素晴らしい未来を心より願っています」とSNSに投稿するなど、シーズン半ばでクラブを離れた同志たちに敬意を表していた。