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チェルシーも彼らに続くのか…大黒柱放出を経験した6クラブ。

代えの利かない選手を抱えるクラブは多い。わかりやすくリバプールであればロベルト・フィルミーノやフィルジル・ファン・ダイク、バルセロナであればリオネル・メッシがそれにあたるだろう。クラブからすれば、放出するなど頭にも浮かばない選手たちだ。しかし、中にはそんな絶対に放出したくない選手を放出してきたクラブがある。今回は代表的な6クラブをご紹介する。


トッテナム・ホットスパー

今シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)決勝に進んだトッテナム。彼らは2012年にルカ・モドリッチ、2013年にガレス・ベイルと代えの利かない選手を立て続けにレアル・マドリードへ譲っている。ただ、トッテナムはデレ・アリやハリー・ケインといった選手に象徴されるように、若手をしっかりと鍛え上げ、上位争いを当たり前のように繰り広げるクラブへと進化している。ここ3回の移籍市場で満足な補強ができなかったにもかかわらず、彼らがCL決勝に進んだという事実が、彼らの行ってきた施策や方針が間違いでなかったことの証明だ。


ポルト

ジョゼ・モウリーニョ監督の下、伝説的なCL制覇を成し遂げたポルト。多くの選手がこの機会に、それぞれのキャリアを大きく飛躍させた。モウリーニョ監督はチェルシーに引き抜かれている。ただ、クラブにとっては複雑なところも多い。パウロ・フェレイラ、リカルド・カルバーリョといったクラブを支えた選手たちは、モウリーニョ監督の後を追いチェルシーに入団。中盤の要であったデコもバルセロナに引き抜かれている。今シーズンのアヤックスも、ポルトに似た状況にあると言えるだろう。


オリンピック・リヨン

2001/2002シーズンから7連覇を達成し、リーグ・アンで黄金期を築いたリヨン。多くのビッグクラブから注目され、フローラン・マルダ、エリック・アビダルといった主力が流出。しかし、彼らの手にはカリム・ベンゼマやウーゴ・ロリス、ミラレム・ピアニッチという有望な若手が残っていた。しかし、2009年にベンゼマもクラブを離れたことで、得点力が激減。ピアニッチやロリスも後を追うようにクラブを離れ、オリンピック・マルセイユやボルドーといったクラブにリーグ・アンの覇権を明け渡すことになった。


アヤックス・アムステルダム

1995年に欧州の頂に立ったアヤックス。ルイ・ファン・ハール監督の下リーグを2連覇するなど、圧倒的な強さを見せつけていた。当時のチームを支えていたのはクラレンス・セードルフ、パトリック・クライファート、フランク・ライカールト、エドガー・ダービッツ、エドウィン・ファン・デル・サールといった、一時代を築いた選手たち。ただ、1995年のボスマン判決により、状況が一変。契約満了を迎えた主力選手たちは、続々とビッグクラブへと引き抜かれていった。資金力に物を言わせる時代の始まりだ。


ボルシア・ドルトムント

しっかりとしたスカウティングにより選手を獲得し、2010/2011、2011/2012シーズンと立て続けにブンデスリーガを制したドルトムント。ただ、周囲のクラブやドルトムントの方針は、その時代が長く続くことを許さなかった。2013年にマリオ・ゲッツェがバイエルンに引き抜かれると、翌年にはロベルト・レバンドフスキもバイエルンへ。2015年にはユルゲン・クロップ監督、イルカイ・ギュンドアン、マッツ・フンメルスもクラブを後にした。優勝の立役者となった選手たちはほとんどクラブに残っていない。それでも、選手を獲得し価値を上げて売却するという姿勢で、間違いなくドルトムントは成功を続けている。


チェルシー?

多くの批判に遭いながらも、CL出場権を確保し、ヨーロッパリーグ(EL)も制した今シーズンのチェルシー。ただ、大黒柱のエデン・アザールはレアル・マドリードへの移籍が決定的とみられており、公式の発表も秒読み段階に入っている。今シーズンのチェルシーに付いて回るのが、今後2回の移籍市場における選手の獲得禁止処分だ。処分が覆らなかった場合、昨冬に獲得を決めたクリスチャン・プリシッチ以外に、新戦力と呼べるのはレンタルでクラブを離れている選手だけだ。チェルシーはこの難局をどのように乗り切るだろうか。


 

名前:菊池大将
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幼少期に父親の影響でミランが好きになりました。アイドルはシェフチェンコ。パッション、データ、経済、カルチャー、サッカーの持つ様々な表情を見るのが好きです。よろしくお願い致します!

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