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アジア1熱いスズキカップ。マレーシア対タイ戦から見えてきた5つのこと

マレーシア代表とタイ代表が引き分けたことで、決勝進出をかけた戦いにピリピリとした空気感が生まれている。マレーシアのブキット・ジャリル国立競技場で行われたこの試合、2ndレグはタイで行われる。フットボールトライブタイ版編集長、オブ・デージャウィンが準決勝2ndレグを前にタイ代表の5つのポイントをご紹介する。


スロースターターなタイ代表

フィリピン代表戦でスロースターターぶりを見せたタイ代表はサポーターの期待に反して、再びスローテンポで試合に入った。対するマレーシア代表はスタートからアグレシッブさを見せ、前半で1、2点生まれていてもおかしくない状況だった。タイ代表のミロバン・ライェバツ監督はこの問題についてこう語っている。「SEA(東南アジア)のクラブの一番大きなハードルはアウエーゲームでのプレーだ。どうしてもホームと同じパーフォーマンスをキープできない。これを変えるために色々考えている」アジアの強豪国と戦えるようになりたいなら、タイ代表は進化しなければならないだろう。


マレーシアサポーターの素晴らしさ

この試合におけるサポーターの影響は大きかった。現在のマレーシア代表監督が見せている魅力的なサッカーは、サポーターを楽しませているのだろう。このポジティブな空気は試合中常に現れていた。今大会で最も強いと言われているタイ代表との引き分けは、2ndレグで大きな自信につながるはずだ。


交代メンバーが試合にフィットしなかった

ミロバン・ライェバツ監督は後半開始前にポックラウ・アナンを投入。これは実にいい判断と言えるだろう。彼が入ったことでタイ代表の中盤はバランスを取り戻した。しかし、残り2つの交代策、パコーン・プレムパックとチャンナナン・ポームバファの投入は試合に影響を与えることができなかった。この2つの交代策が遅かったこともある。監督がもう少し早いタイミングで判断していれば、調整できていたかもしれない。


ファリザル・マリアスの大活躍

内容はあまり良くなかったが、タイ代表に得点のチャンスはいくつか生まれた。辛い状況の中でもロバン・ライェツ監督の狙いがハマった攻撃も少なくなかった。しかし、これが結果に繋がらなかったのはマレーシア代表GKファリザル・マリアスキの素晴らしいパフォーマンスに阻まれ続けたからだ。彼はDFラインが対応できなかったピンチをファインセーブで凌ぎ続けた。彼の素晴らしいスキルのおかげで、マレーシア代表は安心して最終ラインライン高く設定できるだろう。中盤でのプレスの強度も高まり、ボール奪取力が上がるはずだ。


選手の意識は?

試合後にタイ代表のサンワット・デーミットがインタビューに応え「無得点に終わったことが悔しいか?」と聞かれた。彼は「チャンスがあったがが決めれなかった。DFラインまで下がってボールを追い続けるのは退屈だと思っている。しかし、失点しなかったのは大きい」とコメントを残している。マレーシア代表とホームで戦うということに関しては「(決勝に)進むことができるかどうかは僕たち次第だ。もちろん守るだけでは突破できない。攻撃が必要だ。ラジャマンガラ・スタジアムできっと素晴らしい試合になると思う」と話した。この意識は改善が必要だろう。アジアの強豪国と戦うことになれば、終始ディフェンスに追われる展開もあり得る。選手の意識改革が必要かもしれない。


名前:菊池大将
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幼少期に父親の影響でミランが好きになりました。アイドルはシェフチェンコ。パッション、データ、経済、カルチャー、サッカーの持つ様々な表情を見るのが好きです。よろしくお願い致します!

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