ACLの女神を味方につけた鹿島
こういった事情もあり、鹿島は2戦ともに相手を圧倒。合計5-0の完勝をあげた。テクニカルディレクターに就任したジーコ氏のオススメで先月契約した、ブラジル人のMF/FWのセルジーニョがチームにとって重要な存在になった。彼は2つの決定的な仕事をこなして自身の価値を証明し、天津権健との試合ではゴールも決めた。セルジーニョは過去6試合で4得点を記録しており、早くも前線の核として活躍している。
その他に、間違いなく2018年シーズンのチーム最優秀選手であり、鹿島のトップスコアラーでもある鈴木優磨と、途中出場から頻繁に効果的な働きを見せる土居聖真を有する攻撃陣は、タイトルにチャレンジするのに十分な火力があるし、実際にACLを制しても不思議ではない。
昨年、浦和レッズも国内では振るわず、ACLでも決勝トーナメントのすべての1stレグで勝利を収められない、より難しい道のりを歩んだにもかかわらず、9年ぶりに日本にアジアのトロフィーを持ち帰った。
鹿島は国内において似たような状態にあるが、ACLでは決勝トーナメント1回戦で上海上港を押しのけ、準々決勝では天津権健を相手にワンサイドゲームを展開したように、ファーストレグから相手を圧倒している。
準決勝ではこの大会で最強とも思われていた、全北現代モータースとの対戦を避けることができた。今シーズンもKリーグのタイトルを確保した全北現代は、同じくKリーグに所属する水原三星ブルーウィングスを相手に、PK戦の末敗れて準々決勝で姿を消した。
鹿島と水原三星はグループステージですでに対戦しており、お互いに1勝ずつあげている。しかし鹿島は過去3度決勝トーナメントで韓国勢と対戦し、そのいずれも敗れているのだ(FCソウルに2009年と2011年に、浦項スティーラースに2010年に敗北を喫している)。
10月に行われる準決勝は、大岩監督率いるチームにとって、日本で最も成功を収めているクラブに新たな歴史を刻むための極めて重要な試合になるだろう。
著者:チアゴ・ボンテンポ
1985年生まれのブラジル人ジャーナリスト。サンパウロ在住。幼少期よりスポーツとりわけサッカーを愛する。大学時代にジャーナリズムを専攻し2011年よりブラジル『Globo Esporte』で日本サッカーを担当している。ブラジルのボタフォゴ、アーセナル、そして日本代表の熱烈なサポーターである。将来の夢は日本語を流暢に扱うこと、富士山登頂、Jリーグスタジアムを巡ること。
Twitter: @GunnerTNB
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