代表チーム クロアチア代表

DR.TRIBE【試合診断書】W杯グループステージ アイスランド対クロアチア

大会:ロシアワールドカップ
カード:アイスランド対クロアチア
スコア:1-2
担当医:ペペ土屋( @PPDOLPHINS
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チーム監督
・主審


アイスランドMOTM(マン・オブ・ザ・マッチ):ギルフィ・シグルズソン

PKを決めて一時は同点に。アイスランドの攻撃を牽引したチームの大黒柱。サイドに流れてボールをキープし、正確な右足で多くのチャンスを創り出した。泥臭いプレーもいとわずチームの一員として献身的に、貪欲に勝利を目指して最後まで闘った。


アイスランドTHW(ザ・ハード・ワーカー):ホロドゥル・マグヌソン

左サイドで積極的な攻撃参加を見せ、ロングスローを含むセットプレーではターゲットとして空中戦での強さを発揮した。同サイドにドリブル得意なマルコ・ピアツァがいる難しい試合だったが、攻守両面で勝利への意欲を感じさせながら冷静な対応で、相手を抑え込んだ。


アイスランドMDP(モースト・ディサポインティング・プレーヤー):ビルキル・ビャルナソン

鼻血を出しながらも特に守備面でファイトし続けたが、決定的なシュートを外してしまった。誰にでも起こりうるミスだが、アルゼンチン戦でも同じようなシーンで同じような失敗をしているだけに、非常に悔やまれる。


クロアチアMOTM(マン・オブ・ザ・マッチ):両セントラルミッドフィールダー

アイスランドの強固なセントラルミッドフィールダーコンビとのマッチアップは、見応え十分だった。激しいデュエルで一歩も引かず、コバチッチは試合の入りこそトップ下にいたものの、大半の時間はモドリッチとポジションを入れ替えてCMとしてプレーした。巧みなボールキープで攻撃のリズムを整えた。1得点1アシストを記録したバデリはこの試合の主役のひとりだ。


クロアチアTHW(ザ・ハード・ワーカー):ベドラン・チョルルカ

空中戦にめっぽう強いアイスランドに対して、最後まで競り合い続けたチョルルカ。良い予測から試合で最も多いボールリカバリーを記録し、ロブレンとビダを休ませた中でもPK以外の失点を許さなかった。


クロアチアMDP(モースト・ディサポインティング・プレーヤー):アンドレイ・クラマリッチ

マンジュキッチに代わって先発出場したものの、目立った活躍はできなかった。勝たなければいけないアイスランドが、いつもよりもブロックを崩す場面があっただけに自らの得点が欲しかった。ミスは少なかったがインパクトがなかった。


アイスランド監督:ヘイミル・ハルグリムソン

勝てば決勝トーナメント進出に望みがつながる試合に、いつも通り4-4-2のコンパクトなブロックを敷いてロングカウンターで仕留める形で試合に入る。印象的だったのは左のマグヌソンが積極的に攻撃に参加していた点。それにより、ピアツァとイェドバイを押し込むことに成功した。この試合でもフィンボガソンが中央でポストプレーをこなして、シグルズソンがサイドに流れてクロスをあげる攻撃は威力を発揮していた。ビハインドを負って攻めに転じた際はさすがにカウンターを受けたが、選手全員から闘う意識の高さ、規律正しさを感じさせた。残念ながら決勝トーナメント進出は逃したものの、この大会の印象に残るチームのひとつだろう。


クロアチア監督:ズラトコ・ダリッチ

主力の大半を休ませて臨んだこの試合にも勝利を収めて、3戦全勝で決勝トーナメント進出を決めた。幾度となくシュートを打たれたものの、決定的なシュート自体は少なかったのは、アイスランドの選手たちのミス以上に、最後の場面でクロアチアの選手たちがしっかりと身体を寄せていることが影響したのだろう。モドリッチとコバチッチの位置を試合途中で入れ替えて、ボールポゼッションを安定させた点は、彼の指示だったのかどうかはわからないが、試合の流れに関わる重要な変更だったと言っていい。結果論だが、ロブレンを投入して3バックにシフトしたが、それほど機能していたとは言えない。しかし選択肢としてこのシステムを持っていることを示した点は、次の試合の伏線になるかもしれない。


主審:マテウ・ラオス

安定したレフェリングで試合をスムーズに進行。PKの判定も正確だった。選手とのコミュニケーションをとり続け、エキサイティングな試合の流れを止めず、見ごたえあるものにした。