代表チーム アジア

【独占コラム】コロンビア在住英国人ジャーナリストが見た日本戦

著者:サイモン・エドワーズ(翻訳者:マリオ・カワタ)

 コロンビアは試合開始直後の混乱から立ち直り同点に追いついたが、後半に落ち着きを取り戻したサムライブルーが、アジア勢としてW杯史上初めて南米のチームを倒す歴史的な勝利を挙げた。

 試合前は両チームともに、キープレーヤーに怪我の不安を抱えていた。レスター・シティの岡崎慎司とバイエルン・ミュンヘンのハメス・ロドリゲスはふくらはぎを故障しており、岡崎は大会のメンバーから外れる可能性さえあった。クアドラードも万全ではなかったが問題なしと判断され、結果的にハメスは30分間出場、岡崎も終盤に意外な途中出場を果たしている。

 日本代表が4-2-3-1を継続し岡崎の代わりに大迫を起用するのは予想通りだったが、コロンビアは最後までハメスとクアドラードの調子を見極めたためキックオフ直前まで先発メンバーは読めない状態だった。

 ハメスの状態に対する解決策として、ぺケルマンは予選でもたびたび見られたようにサプライズを用意した。非常に才能豊かだが動きの少ないフアン・フェルナンド・キンテロを、ハメスの代わりにプレーメーカーとして起用したのだ。これに従ってぺケルマンはさらに変更を加え、技術的に優れるマテウス・ウリベではなく、身体能力が高く精力的なジェフェルソン・レルマをカルロス・サンチェスとともに中盤に置いた。

 左ウイングにはルイス・ムリエルではなく経験の浅いホセ・イスキエルド、右サイドには怪我から回復したフアン・クアドラードが入り、最前線にはラダメル・ファルカオが先発している。

 ディフェンスでは経験豊富なオスカル・ムリージョのパートナーとして、理論的にはより頼りになるオプションとも言えるジェリー・ミナよりも、トッテナムのダビンソン・サンチェスを優先した。その前に中盤でボールを奪うカルロス・サンチェスを配置したことで、コロンビアは安全かつ堅固なベースを用意したはずだった。

 しかし試合開始から2分後、精力的かつ印象的な活躍を見せた大迫勇也のプレッシャーを受けたダビンソン・サンチェスが、ロングボールをクリアしそこなう。ボールが転がる間に大迫はパワフルなサンチェスと抑え、GKとの1対1を作り出した。ダビド・オスピナが弾いたシュートは香川真司のもとへ向かい、彼のボレーシュートはカルロス・サンチェスの広げた腕に当たった。

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