セリエA ラツィオ

高騰続く移籍市場でも“リアリズム”を貫くユベントス首脳陣の手腕

 確かにこのナポリの“アップデート”は先述したように大きな意味を持つものであることは言うまでもないが、ビアンコネーロ首脳陣も移籍市場にて相変わらずの立ち回りの巧さを武器にシーズン終了直後の“囲い込み”を披露しつつある。今夏の場合は、GKジャンルイジ・ブッフォンの退団に備え、セリエAの最前線でゴールマウスを守り、かつGKヴォイチェフ・シュチェスニーの控えとして満足できるだけのクオリティを兼ね備えているであろう、ジェノアのGKマッティア・ペリンはユベントス加入が間近に迫っていると伝えられている。

 これに加え、すでにリバプールのMFエムレ・ジャンはチャンピオンズリーグ(CL)決勝終了後の加入が“内定”済みであると伝えられている。中盤センターを本職としながらも様々なポジションをこなすユーティリティ性や戦術理解度のみならず、ボール際での勝負強さや確実性のあるシンプルなパスなど、ユベントスの中盤にはうってつけの存在であるこのドイツ代表だが、パヴェル・ネドヴェド副会長が3シーズン前より動向を追い続け、かつ首脳陣がトリノへ連れてくるための巧みな“線引き”を行ってきたことが功を奏したと考えて良いだろう。そして特筆すべきは欧州の頂を目指す大舞台を経験するほどの有望株をフリーで獲得できる妙味があることだ。

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