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バルサ若手FW、ロシアW杯出場に向けて代表変更を求めFIFAを提訴

 バルセロナに所属し、現在はアラベスにレンタルで移籍しているFWムニル・エル・ハダディは、A代表の国籍変更に関してFIFAと戦うつもりのようだ。11日にイギリス『BBC』が報じた。

 2011年にバルセロナの下部組織に入団すると、2015年にはトップチームデビューを飾ったムニル。ただ、層が厚く、ワールドクラスのタレントが勢揃いしている同クラブで出場機会を十分に確保することは厳しく、現在はアラベスにて武者修行を行なっている。

 現在22歳の同選手はスペインのマドリードで生を受けたが、名前から推測できるようにモロッコの血が流れており、それ故にスペインとモロッコの国籍を保持している。ムニルは、バルセロナでプレーしていた2014年9月8日に行われたUEFA EURO 2016の予選、対マケドニア戦にてアトレティコ・マドリードに所属するMFコケとの交代で後半32分にスペインA代表デビューを果たした。

 ただ、その後は一切召集されることはなく、スペイン代表での出場はコケとの交代で出場した1試合のみとなっている。そんな同選手は、モロッコが今年6月にロシアで開催されるワールドカップへの出場権を手にした事により、A代表の“鞍替え”を希望した。

 しかし、FIFAには「選手がある国のA代表で1試合でも公式戦に出場すると、以後は他国の代表選手としてプレーすることはできない」という規定があり、ムニルの場合はEUROの予選という公式戦でプレーしたことからこのルールに抵触している事になる(親善試合のみであれば代表国変更は可能)。したがって、3月にFIFAは同選手の要求を却下したという経緯がある。

 ただ、諦めきれないムニルはモロッコサッカー協会と共にスポーツ仲裁裁判所(CAS)にFIFAの決定を不服として訴えたようだ。僅か13分間、公式戦での出場した事により起きてしまったこの問題は果たしてどのような結果になるのだろうか。