2015年10月、英紙『ガーディアン』は毎年恒例の企画の最新版として1998年生まれの世界最高の若手選手50人を発表した。既にレアル・マドリードでプレーしていたマルティン・ウーデゴール、その3ヶ月後にブンデスリーガデビューを果たすクリスチャン・プリシッチ、イタリアに渡る前のハン・グァンソンらと共にリストに名を連ねたのが、その年ガンバ大阪でトップチームデビューを果たした17歳の堂安律だった。
それからの2年半で、日本屈指の才能は順調に成功への階段を上り続けてきた。
3月18日、アウェイでのAZ戦。リーグ3位の強豪を相手に1点ビハインドの82分、堂安はペナルティエリア外で後ろ向きでボールを受ける。トラップと共に反転して前を向くと、相手に囲まれスペースがない中で左に切り替えし、タイミングを計って左足を振り抜く。ボールはGKの伸ばした手の先を越え、一直線にゴール左隅に突き刺さった。
フローニンゲンはその後アディショナルタイムに決勝点を奪われ勝ち点を逃したが、堂安にとってはリーグ7点目、直近の5試合で3点目となるゴールだった。
さらに代表ウィーク明けの今月1日のアヤックス戦でも右サイドで先発し、ゴールこそならなかったが国内屈指のタレントを相手に堂々のプレーを披露。際どいクロスなどでゴールを脅かすだけでなく、持ち前のボディバランスを生かしたディフェンスも見せた。この活躍によりオランダ紙『AD』は、2節連続で堂安をベストイレブンに選出している。
結果的には連敗を喫したが、どちらも試合終盤に決勝点を奪われるまで強豪を苦しめるなどチーム状態は悪くない。堂安もAZ戦後にクラブの公式チャンネルを通して「今日は最後にやられてしまいましたけど、内容自体はすごく良くなっていると感じますし、それと同時に自分の出来も良くなってきているのではないかと思います」と語り、充実感を漂わせた。
クラブからの評価も高い。フローニンゲンのダイレクターを務めるハンス・ナイラント氏は現地紙に「彼はエールディビジの宝だ」と語り、堂安を称賛している。「彼は7得点を挙げていて、怪我もしない。明るく情熱的でボール扱いがうまく、非常に魅力的な選手だ」
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