バルセロナ

バルサ人気は無くなった?空席が目立つスタンド。観客動員数の減少に苦しむ要因は…

著者:Euan McTear
スコットランド・グラスゴー出身のフットボールジャーナリスト。スコットランド、イギリス、スペインのゲーム分析を担当。スペイン紙『Marca』、英紙『The Guardian』、『Eurosport』に執筆し、『Eibar The Brave』の著者でもある。

先週の木曜日、カンプ・ノウでは前半戦の最も大きな試合の一つが行われた。コパ・デル・レイの決勝に進出したバルセロナは、準々決勝で最も難敵であるバレンシアと対戦。同試合では通常通り、リオネル・メッシ、ルイス・スアレス、アンドレス・イニエスタ、そしてフィリップ・コウチーニョなど錚々たるスター選手がプレーする予定となっていた。

しかし、同試合の観客動員数は50,959人のみ。収容人数99354人を誇るメガスタジアムにおいて、空席が目立つあまりにも寂しい光景となった。

バルサのエルネスト・バルベルデ監督は、1-0で勝利した試合後に記者会見で疑問を率直に話した。「どのようにすればもっと多くの観客が来るのかわからない…」チームを好調に導いた策士は続ける。「スペイン時間21時30分のキックオフは、人々が働かなければならないので、助けにはならないはずだ。さらに冬の(寒さの)影響もあるだろう」。

たしかに彼が言っていたことは間違いないだろう。雨が降りしきる中、気温はわずか6°C。多くの観客は2時間カンプ・ノウのスタンドで震えて座っていた。コパ・デル・レイの準決勝進出はわずか6日前に決定し、サポーターが観戦する準備をできていなかった点も影響しただろう。

しかし、今季のカンプ・ノウでの収容率が低いことは、バレンシアとのカップ戦に限った問題ではない。 昨シーズンの平均観客動員数は77,527人。2017/18シーズンの平均参加者数は64,218人で、過去10年間で最低だ。これはカタルーニャの独立選挙で無観客試合としたラス・パルマスとのリーグ戦含まないデータである。

今季は一度たりとも90,000人以上を集客できていない。今季最高となったレアル・マドリードとのスーペルコパ第1戦でも89,514人。 注目度の高かったユベントスとの激しいUEFAチャンピオンズリーグでさえ、78,656人であった。

ヨーロッパで最大級のスタジアムを満たすことはバルセロナにとっても簡単なことではない。だが、ここまで記述した通り、今年の観客動員率は極めて低い。いくつかの要因があるだろう。

1つは8月に相次いで起きたテロ攻撃による観光客数の減少。2つ目は、カタルーニャ独立問題が引き起こした不安の増長。バルセロナへの観光客は約13.9%減少し、カンプ・ノウのチケット販売所とクラブミュージアムでその傾向は顕著に現れたという。

だが、これらの2つの問題は観光客だけでなく、一部の地元住民も同様だ。8月の本拠地開幕戦(レアル・ベティス戦)はかなり魅力的で、ファンに”優しい”キックオフ時間で開始したにもかかわらず、56,480人しか入らなかった。

「人々が他のものに心を奪われており、サッカーを楽しむ意欲が少なくなるかもしれない」と、クラブ副社長のジョルディ・メストレ氏はインタビューで語っている。

ではこの観客数の減少をどのように改善すれば良いのだろうか?

まずチケット価格に問題がある。クラブはシーズンチケット所有者に対してはかなり配慮の姿勢を見せているが、個々の試合の価格はヨーロッパで最も高価なものだ。

今シーズンのリーグ戦では、最も安いチケットで39ユーロ(約5,200円)に設定されている。しかし、この金額はアラベスやデポルティーボ・ラ・コルーニャのように、昇格組や人気が乏しいクラブとの試合に限られる。

アスレティック・ビルバオのような中堅チームとの試合の場合、最低価格は49ユーロ(約6500円)。先週行われたバレンシアとの準決勝で最も安いチケットは29ユーロ(約3800円)で入手可能なものは非常に限られていた。

ほとんどの座席で40ユーロ(約5300円)から60ユーロ(約8000円)。わずか6日間で売り切ることはできなかった。おそらく、観光客にとっても高価すぎると言えるのだろう。

多くの地元民にとってみれば、”高価過ぎる”と感じているに違いないだろう。10年前に12試合を見ていた人でも、今や年間数試合しか観戦できない。カンプ・ノウに行くことは、「映画『チャーリーとチョコレート工場』でウィリー・ウォンカに招待される」ような希少さとなっている。

もう一つ、観客動員率の低迷を招いている要因があるとすれば、試合スケジュールの問題。すべてのファンは間違いなく魅力的なマッチアップを見たいと感じている。

バルセロナと対等に戦えるチームはアトレティコ・マドリード、アスレティック・ビルバオ、バレンシア、ビジャレアル、レアル・マドリード、レアル・ソシエダくらいだろう。だが、バルセロナは前半戦の序盤にこれらのチームとの対戦が終了してしまっている。

バルセロナはシーズンの平均観客動員数を上昇させることに大きな苦労を強いられるだろう。クラブは現在、座席の汚れを取り戻すために報告書を作成。スタジアムの再開発を検討している。

今後数年でさらに座席数を増やす計画も進行中であり、クラブはサポーターをよりスタジアムに引き付ける工夫を施す必要がありそうだ。