
FIFAワールドカップ(W杯)北中米大会は、実績ある選手たちが期待通り、あるいはそれ以上の活躍を見せている一方、次世代の若手も台頭している。大会前は、出場国がカタール大会までの32か国から16も増えたことで、試合のレベル低下が危惧されていたが、その懸念は杞憂に終わった。
グループリーグ全72試合の中で、5点差以上ついたのはわずか4試合。引き分けは20試合で、うちスコアレスドローは7試合。戦前の予測よりも、各国の実力が拮抗していたことが分かる。また、W杯初出場ながら40歳のGKヴォジーニャを中心にスペイン戦(0-0)、ウルグアイ戦(2-2)、サウジアラビア戦(0-0)と守り切り、1982年スペイン大会で優勝したイタリア代表、1990年イタリア大会のアイルランド代表とオランダ代表に続き「3引き分けで決勝T進出」という快挙を成し遂げたカーボベルデ代表(H組2位)のようなダークホースの躍進も、開催国増の副産物だろう。
選手個人に目を移しても、W杯歴代通算最多得点記録を更新し続け、6月24日で39歳を迎えたアルゼンチン代表FWリオネル・メッシや、W杯史上初となる6大会連続得点を記録した41歳のポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドのようなファンタスティックイレブン(NHKによる世界のスター選手11人)がチームを牽引し、W杯2大会連続得点王を狙うフランス代表FWキリアン・エムバペや、W杯初出場ながら、怪物ぶりを見せつけているノルウェー代表FWアーリング・ハーランドが存在感を示す。
そんな中、23歳以下の選手たちも目覚ましい活躍を披露し、未来を担う若き逸材が現れたことも、今大会を魅力的なものにしている。彼らは若さだけではなく、スピード、技術、戦術理解の高さを発揮し、将来的に世界のサッカー界をリードする可能性を秘めている。ここでは、W杯グループリーグで活躍が目立った23歳以下の選手から、ゴールキーパー(GK)1人、ディフェンダー(DF)3人、ミッドフィルダー(MF)4人、フォワード(FW)3人のベストイレブンを選出したい。

GK:ドイツ王者も狙う、オランダ期待の若き守護神
バルト・フェルブルッヘン(オランダ代表/ブライトン・アンド・ホーブ・アルビオン/2002年8月18日生まれ、23歳10か月)
ブライトンで三笘薫とチームメイトのオランダ代表守護神バルト・フェルブルッヘン。日本戦では2失点を喫したが、2戦目のスウェーデン戦、3戦目のチュニジア戦では鋭い反応とポジショニングの上手さを生かし、それぞれ1失点に抑えた。23歳ながら安定したセービング率を示しており、バイエルン・ミュンヘンがドイツ代表GKマヌエル・ノイアーの後継者として獲得するのではないかと報じられている。

DF:19歳から21歳、年齢を感じさせない風格の守備陣
パウ・クバルシ(スペイン代表/バルセロナ/2007年1月22日生まれ/19歳5か月)
攻撃力ばかりが注目されがちのスペイン代表だが、グループリーグ3試合連続完封という守備力の高さも見せた。パウ・クバルシは19歳の若さながらセンターバックとして冷静なビルドアップと空中戦の強さを発揮し、守備陣の要となった。パス成功率の高さが光り、若手ながら成熟したプレーでチームを支えている。既にバルセロナのレギュラーだが、その移籍金は1億2,460万ユーロ(約207億円)と推定され、2029シーズンまで契約を延長したバルセロナは契約解除金として5億ユーロ(約922億円)と設定した。
ルカ・ヴシュコヴィッチ(クロアチア代表/ハンブルガーSV/2007年2月24日生まれ/19歳4か月)
2025/26シーズンはハンブルガーSVへ期限付き移籍し公式戦30試合に出場、守備の要として活躍したルカ・ヴシュコヴィッチ。今大会初戦のイングランド戦では崩れたが、2戦目のパナマ戦では完封勝利に貢献。守備の安定感と得点力を併せ持つ選手だ。空中戦やロングパスで存在感を発揮し、将来の欧州トップDF候補として注目され、このオフ、ブライトンへ5,000万ポンド(約107億円)での加入が合意されている。
ニコ・オライリー(イングランド代表/マンチェスター・シティ/2005年3月21日生まれ/21歳3か月)
左サイドバックとしての攻撃参加が持ち味のニコ・オライリー。守備の安定性と攻撃センスのバランスが優れている選手だ。今季限りでマンチェスター・シティを退任したペップ・グアルディオラ監督の指導で成長を遂げた。21歳とは思えない落ち着きで、チームに安心感を与える存在だ。
コメントランキング