
町田ゼルビア(J1) vs 京都産業大学(京都府代表)
会場:町田GIONスタジアム
町田ゼルビアは、昨2024シーズンJ1初昇格ながらも首位を快走し、文字通り台風の目となった。しかし、天皇杯2回戦では筑波大にPK戦の末に敗れ、加えて試合後、黒田剛監督が筑波イレブンのプレーぶりや態度を一方的に批判。さらに後日「我々が正義」と語り、一連の発言が大炎上したことで「町田=ヒール」のイメージを決定付けるきっかけとなった。
今大会はネジを巻き直して臨んでくるだろうが、今シーズンの町田には昨季の勢いは感じられず。J1リーグでは折り返し時点で7勝8敗4分けと負け越しターンとなっている(現時点10位)。
町田の問題点として、まず守備の安定性不足が挙げられる。J1最下位に沈む横浜F・マリノス相手に今季ワーストの3失点を喫した(5月31日)。デュエルの激しさは変わらないが、対策されたことでスペースを突かれる場面が目立つ。また、4月上旬に黒田監督のパワハラ疑惑が報じられた影響も、少なからずチームの雰囲気を悪くしている可能性もある。
対する京産大学は、1972年創部。ラグビー部の活躍の陰に隠れがちだったが着実に力を付け、2023シーズンに関西学生サッカーリーグ1部初優勝、さらにその勢いで全日本大学サッカー選手権(インカレ)準優勝という結果を残した。昨季のメンバーからはDF大串昇平がJ3のFC岐阜へ、DF横窪皇太がJ3テゲバジャーロ宮崎へ加入している。
1回戦では、初出場の守山侍2000(滋賀県代表)に先制を許しながらも逆転勝利で勝ち進んだ京産大。天皇杯出場は7回目となるが、未だに2回戦を突破したことはない。しかし選手はJユース出身者や高校サッカー常連校の卒業生の名が並ぶ。吉川拓也監督自身も京産大OBで元Jリーガーだ。
走力と運動量を生かした攻撃サッカーを志向している京産大の素材に疑いはなく、“一発”の可能性を十分に秘めているのではないだろうか。

ガンバ大阪(J1) vs ヴィアティン三重(三重県代表)
会場:パナソニックスタジアム吹田
1回戦で、山梨学院大学PEGASUSに辛勝(1-0)したJFL所属のヴィアティン三重だが、2019年の天皇杯では、J1湘南ベルマーレを破るジャイアントキリングを達成している。元Jリーガーも在籍しており、経験豊富な選手がチームを牽引するチームだ。
今回対するのはJ1の強豪ガンバ大阪だが、現在リーグで苦戦している中にあって(現時点12位)、ここではメンバーを大幅に入れ替えることが予想される。そこに隙が生まれる可能性があるだろう。ダニエル・ポヤトス監督が控え選手を中心にメンバーを組んだ場合、焦りからリズムを崩してしまうことも有り得る。
三重イレブンが「失うものはない」とばかりにチャレンジャー精神を発揮すれば、プレッシャーが少ない分思い切ったプレーが出やすくなり、クラブの歴史に名を刻む快挙を成し遂げることも十分に考えられる。パナソニックスタジアム吹田まで駆け付ける熱狂的なサポーターの声援が選手たちを後押しし、特異な雰囲気を作り出せれば、選手にとってこれほど心強いことはないだろう。
三重が勝利するとすれば、まず失点しないことを最優先に、コンパクトな守備ブロックを形成し、G大阪の攻撃を粘り強く封じ込める戦術がハマるケースだ。守備で耐え忍び、ボールを奪ってからの素早いカウンター攻撃に徹することによって、少ないチャンスをモノにするのだ。また、コーナーキックやフリーキックといったセットプレーも実力差を埋める大きなチャンス。入念にデザインされたサインプレーや、高さで上回る選手がいれば得点源となり得る。
三重の間瀬秀一監督は、ブラウブリッツ秋田(2015-2016、2018-2019)、愛媛FC(2017-2018)を指揮し、モンゴル代表監督(2021)も務めた経験豊富な指揮官だ。G大阪の弱点や戦術的特徴を徹底的に分析し、そこを突くような戦い方を選択すると思われる。大番狂わせが起きる可能性は十分にあるだろう。

アルビレックス新潟(J1)vs 福山シティ(広島県代表)
会場:デンカビッグスワンスタジアム
J2降格圏に沈むアルビレックス新潟(現時点19位)に挑むのは、中国リーグで首位を快走する福山シティだ。カテゴリーが4つ違うとはいえ、チームの勢いの違いは明らかだ。
新潟は既にルヴァン杯で敗退しているが、リーグ戦に集中するため、樹森大介監督はローテーションする可能性がある。しかし仮に敗退すれば自身の解任が現実味を帯びてくるため、直前までメンバー構成に頭を悩ませることだろう。若手や控え選手中心の先発メンバーを送り出すとすれば、連携面に影響を及ぼし、福山に付け入る隙を与えることになる。
新潟は昨2024シーズンからホーム戦で苦しんでおり、今シーズンのホーム初勝利も第18節湘南ベルマーレ戦(2-1)まで待たされた。得点力、守備力双方に課題があり、特に失点数はJ1ワーストクラス。クリーンシート(完封試合)はリーグ戦でわずかに「3」だ。
ある程度ボールを保持することはできるだろうが、決定機を逃し続ければ、福山に守備の自信を与え、カウンターやセットプレーで逆転されるリスクが高まる。さらに新潟は後半に失点を許す傾向が見られるため、福山が粘り強く戦えば、延長線上に持ち込んだ末の逆転勝利の可能性も広がる。
福山の小谷野拓夢監督は、28歳の若さでB級ライセンス保持者。かつて同クラブで指揮を執り(2020-2022)、J3ガイナーレ鳥取で強化育成部長とヘッドコーチを歴任(2023-2024)した将来が楽しみな指揮官だ。1回戦のFC徳島戦(エディオンピースウイング広島/2-1)では逆転勝利を収め、チームのモチベーションは最高潮。ジャイアントキリングを起こす条件は整っている。
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