
2025シーズンの天皇杯(JFA第105回全日本サッカー選手権大会)が5月24日に開幕した。1回戦から早速、アマチュアチームや大学サッカー部がJ2、J3のクラブを破る番狂わせが起こった。2回戦からはいよいよJ1クラブが登場するが、アマチュアクラブはトップカテゴリーであるJ1クラブを倒してこそ「ジャイアントキリング」と言えよう。
11月22日に国立競技場で行われる決勝戦へ向けて、優勝賞金1億5,000万円とAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)出場権を目指すことになるのだが、J1クラブはいくら慢心していなくとも、毎シーズン必ず大番狂わせが起きてしまうのが天皇杯だ。
ここでは、以下に示す天皇杯2回戦30試合の中で、アマチュアクラブがJクラブを倒すジャイアントキリングが起こりそうなカードを5つピックアップしたい。
関連記事:【天皇杯2025】1回戦で番狂わせを起こしそうなアマチュアのカード5選
天皇杯2025:2回戦全30試合
6月11日開催(左側がホーム扱い)
- ヴィッセル神戸 vs 高知ユナイテッドSC
- ヴァンフォーレ甲府 vs 福井ユナイテッド
- アルビレックス新潟 vs 福山シティ
- 柏レイソル vs 東洋大学
- 川崎フロンターレ vs 福島ユナイテッド
- ジュビロ磐田 vs SC相模原
- 横浜F・マリノス vs ラインメール青森
- いわきFC vs ブラウブリッツ秋田
- モンテディオ山形 vs 鹿児島ユナイテッド
- 鹿島アントラーズ vs ザスパ群馬
- V・ファーレン長崎 vs 筑波大学
- アビスパ福岡 vs 沖縄SV
- ファジアーノ岡山 vs ギラヴァンツ北九州
- サンフレッチェ広島 vs Brew SAGA
- 藤枝MYFC vs FCバレイン下関
- 湘南ベルマーレ vs FC岐阜
- 清水エスパルス vs 松本山雅
- セレッソ大阪 vs アルテリーヴォ和歌山
- 徳島ヴォルティス vs レノファ山口
- 町田ゼルビア vs 京都産業大学
- ベガルタ仙台 vs カターレ富山
- 京都サンガ vs 奈良クラブ
- 東京ヴェルディ vs 栃木SC
- サガン鳥栖 vs 愛媛FC
- 名古屋グランパス vs ヴェロスクロノス都農
- ジェフユナイテッド市原・千葉 vs ロアッソ熊本
6月18日開催(左側がホーム扱い)
- FC東京 vs ツエーゲン金沢
- ガンバ大阪 vs ヴィアティン三重
- 北海道コンサドーレ札幌 vs 大分トリニータ
- 横浜FC vs いわてグルージャ盛岡

V・ファーレン長崎(J2) vs 筑波大学(茨城県代表)
会場:PEACE STADIUM Connected by SoftBank
関東大学1部に所属する大学サッカー界の名門、筑波大学。1回戦ではJ1昇格を目指すJ2のRB大宮アルディージャ(NACK5スタジアム大宮/1-0)を見事に撃破してみせた。筑波大は、過去に天皇杯で数々のジャイアントキリングを成し遂げており、この結果にはもはや驚きは少ない。
2017年には、当時J1のベガルタ仙台や当時J2のアビスパ福岡を破りベスト16に進出。昨2024年大会でも、当時J1首位を走る町田ゼルビアをPK戦の末に破ってみせた。今2回戦でも自信を持ってプロに挑んでくるだろう。2014年から指揮を執る小井土正亮監督は、Jクラブの倒し方を熟知しているかのようだ。
一方のV・ファーレン長崎は、前評判とは裏腹にJ2で苦戦を強いられている。優勝を本命視されていたものの、自動昇格の2位以上どころか、プレーオフ圏内の6位入りも危うい状況だ。リーグ戦に集中する必要があるため、下平隆宏監督は主力選手を温存し若手やサブメンバー主体で臨む可能性が高い。
その場合、モチベーションの高い筑波大にとっては大きなチャンスだ。若さに加え勢いもある筑波大が、再び敵地でJクラブを倒す可能性は低くないだろう。

柏レイソル(J1) vs 東洋大学(アマチュアシード)
会場:三協フロンテア柏スタジアム
昨2024年の全日本大学選手権(インカレ)で初優勝した東洋大学。1回戦では仙台大学を相手に4-2と撃ち合いを制し、天皇杯初出場にして2回戦進出を果たした。
立ちはだかるのはJ1でも上位にいる柏レイソル(現時点4位)。6月4日に行われたルヴァン杯プレーオフラウンド第1戦東京ヴェルディ戦でも、敵地の味の素スタジアムで3-0で快勝し、準々決勝進出が濃厚のチームだ。
しかし、そこに隙が生まれる要素が隠れている。J1リーグ、ルヴァン杯、天皇杯と3つの大会を追う中で、この一戦を控えメンバー中心で臨むことはほぼ確実だ。同じくメンバーを落としながらも東京Vを圧倒したことで、リカルド・ロドリゲス監督も自信を深めただろう。
一方の東洋大は、2022年に関東1部リーグへ昇格して以来、着実に実力を付けている。今2025シーズンは開幕ダッシュには失敗したものの、全国高校サッカー経験者やJユース育ちの選手を揃え、U-18日本代表経験者も複数在籍。
さらにこの一戦は、NHK BSでの生中継が決まっている。これが学生選手にとってはこれ以上ないモチベーションとなることは明らかで、全国放送で大番狂わせを見せてやろうと、いつも以上のパワーで挑んでくるはずだ。そして放送カードに指定したNHKからも「ここで何かが起こりそうだ」という思惑も見え隠れする。
好調を維持し選手層も厚いといえども、「J1として負けられない」というプレッシャーを背負った柏に、東洋大が早い段階で得点し焦りを生じさせれば、試合の流れを握る可能性があるだろう。
コメントランキング