
明治安田Jリーグは早くも開幕から1ヶ月が経とうとしているが、未だに所属が決まっていない有力選手がいることをご存じだろうか。なかには欧州帰りの選手や元日本代表選手、更には将来を渇望された選手もいる。主力の怪我や不振にあえぎながらも財政状況が厳しいチームがある中で、移籍金が掛からない選手の獲得は、実現すれば打ってつけの補強になるのではないかと考える。
ここでは、現時点で無所属となっている日本人選手5名を紹介していく(3月9日時点の情報に基づく)。

GK権田修一(前所属:清水エスパルス)
1人目は2024シーズンまでの4年間、清水エスパルスに在籍していた元日本代表のGK権田修一。FIFAワールドカップの日本代表にも2度選出されているが2014年のブラジル大会では惜しくも出場はなく、2022年のカタール大会で初戦(ドイツ戦)に先発出場しW杯デビューを果たした。この試合では、前後半通じてシュート26本を浴びながら、権田のシュートストップが光り2-1と大金星に貢献。MVPにも選ばれた。
欧州移籍を目指している権田だが、現時点で移籍先は決まっておらず無所属の状態が続いている。サッカーファンにとって、今後の動向が最も気になるプレーヤーの1人ではないだろうか。

MF中坂勇哉(前所属:ヴィッセル神戸)
2人目はアカデミーから15年間ヴィッセル神戸でプレーしていたMF中坂勇哉。下部組織時代から非凡的な攻撃センスが際立っており、2015年末に翌シーズンからのトップチーム昇格が発表された。プロ1年目となった2016シーズンは、ナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)第6節の名古屋グランパス戦でプロ初ゴールをマークすると、J1リーグ2ndステージの第16節でも名古屋相手にJリーグ初ゴールをマーク。2017シーズンもコンスタントに試合に絡んだが、その後は監督交代などの影響もあり出場機会が激減してしまう。
2018年にはスペイン3部のCFペララーダへ、2019年には当時J2の京都サンガへのレンタル移籍を経て2020年に神戸へと復帰。その後、2022年のJ1第29節(名古屋戦)の出場を最後に2年間ベンチからも遠ざかってしまい、2024シーズンで契約終了となった。新天地で再び輝きを取り戻すことが出来るのか、今後の動向に注目である。

GK中村航輔(前所属:ポルティモネンセ)
3人目には今年1月に2021シーズンから所属していたポルティモネンセと双方合意のうえ契約解除となった元日本代表GK中村航輔を挙げる。柏レイソルの下部組織で育ち、2013シーズンにトップチーム昇格を果たした中村。2015シーズンにはレンタル移籍先のアビスパ福岡で20試合に出場した。福岡では好パフォーマンスが光りチームを5年ぶりのJ1昇格へと導いた。2016シーズンに柏に戻り2020シーズンまでプレーした後、ポルトガルのポルティモネンセへ移籍。怪我の影響もあって初年度は公式戦の出場がなかったものの、2023シーズンより正GKとしてチームのゴールマウスを守ってきた。
現在30歳の中村。ポルティモネンセとの契約は2026年まで残っていたが、負傷の影響もあって今シーズンはここまで3試合の出場に留まっており、ブラジル人GKビニシウスに正GKの座を奪われてしまった格好だ。ポルトガル紙『Record』が「2026年まで延長していたポルティモネンセとの契約を円満に解除することで合意し、日本に戻る予定である」と報じており、近いうちJリーグに復帰する可能性が高そうだ。

DF内田裕斗(前所属クラブ:ベガルタ仙台)
4人目はDF内田裕斗。ガンバ大阪の下部組織出身で2014年にトップチーム昇格を果たす。その後は徳島ヴォルティス、サガン鳥栖を経て2022シーズンからベガルタ仙台でプレーしていた。仙台では在籍3シーズンでJ2リーグ64試合出場2得点を挙げている。昨シーズンはリーグ戦6試合、天皇杯1試合の出場に留まるなど出場機会が減少。2024シーズンで契約終了となった。
少ない出場時間の中でもパスやドリブル、トラップなど高い技術を見せつけ随所で存在感を発揮していた内田。29歳とまだまだ脂が乗っている時期であるため、新たなチームが決まる日もそう遠くないかもしれない。

MF土肥航大(前所属クラブ:サンフレッチェ広島)
5人目には元U-18日本代表選出経験があるMF土肥航大を挙げる。サンフレッチェ広島の下部組織から2020シーズンにトップチームへ昇格すると、プロ1年目ながらJ1で13試合に出場。2年目の2021シーズは6試合に出場している。その後は水戸ホーリーホック、ヴァンフォーレ甲府、FC今治、栃木SCと様々なクラブへのレンタル移籍を経験した。
昨シーズン期限付きで再び加入したFC今治では、ドリブルや左足の多彩なキックで攻撃を活性化させるなどチームのJ2昇格へと貢献した。しかし、所属元の広島とは2024シーズンをもって契約満了となっている。現在23歳と年齢的にもまだ若い土肥。多くのチームが関心を抱いてもおかしくない。
以上、現在無所属で筆者が獲得をお勧めしたい5選手を紹介した。なかでも注目は、元日本代表GK権田修一とGK中村航輔の2選手ではないだろうか。また、MF土肥航大も水面下で動きがある可能性は高そうだ。
2025シーズンの第1登録期間の期限が3月26日(水)と迫る中、果たしてここで紹介した5選手の所属先は決まるのか。今後の動向に注目したい。
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