日本代表・海外組 日本代表

4位鎌田大地でも相手1位選手の2倍以上?日本代表VS豪州代表の市場価値トップ5

鎌田大地(左)ハリー・サウター(右)写真:Getty Images

FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)アジア最終予選を戦う森保一監督率いる日本代表は、現在勝ち点6でグループCの首位につけている。同居する2位サウジアラビア代表(勝点4)とは、日本時間10月11日午前3時に敵地で直接対決。その4日後には5位のオーストラリア代表と埼玉スタジアム2002で対戦する。

日本代表は9月5日に行われた開幕節で中国代表に7-0と大勝し白星発進を遂げると、続く第2節も敵地でのバーレーン戦を5-0と快勝しグループCの首位に立った(勝ち点6、得失点12)。

一方、今月15日に対戦するオーストラリア代表は、開幕節にホームで行ったバーレーン代表戦に0-1で敗れ黒星発進。続く第2節は敵地でインドネシア代表と対戦したが決定機を決めきることが出来ず0-0と引き分け、手にした勝ち点は1に留まった。現在、勝ち点1・得失点-1とグループでは6チーム中5位の厳しいスタートになっている。

今大会の本選出場を決めるためには2位以上でグループを突破しなくてはならず、オーストラリア代表は目の色を変えて埼玉スタジアムに乗り込んでくるに違いない。激戦必至であろうこの一戦を戦う日本代表とオーストラリア代表メンバーの市場価値トップ5と共に、ランクインした選手たちの今シーズンの個人成績や主な功績を紹介していく(※今シーズンの個人成績は2024年10月6日時点の結果を参照)

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堂安律 写真:Getty Images

日本代表:5位(4位タイ)

MF堂安律

  • 所属クラブ:SCフライブルク(ドイツ1部)
  • 市場価値:1,800万ユーロ(約29億1,000万円)
  • 年齢:26歳
  • 今シーズンの個人成績:公式戦7試合3得点

兵庫県出身で2015年にガンバ大阪でキャリアをスタートさせたMF堂安律は、当時J3で戦っていた同クラブのU-23チームで21試合10得点と頭角を現すと2017年にはオランダ1部のフローニンゲンへ期限付き移籍を果たす。移籍初年度に9得点を挙げ、翌シーズン完全移籍。その後、同国PSVアイントホーフェンを経てドイツのアルミニア・ビーレフェルトへ。2020/21シーズンには5得点を決め、チームの1部リーグ残留に大きく貢献している。日本代表でも2022FIFAワールドカップ・カタール大会(カタールW杯)のグループリーグでは、ドイツ戦・スペイン戦それぞれでゴールを決めており、2大会連続の決勝トーナメント出場に貢献するなど大舞台でしっかりと結果を残している。


エイデン・オニール(左)コナー・メトカーフ(右)写真:Getty Images

オーストラリア代表:5位

MFエイデン・オニール

  • 所属クラブ:スタンダール・リエージュ(ベルギー1部)
  • 市場価値:250万ユーロ(約4億800万円)
  • 年齢:26歳
  • 今シーズンの個人成績:公式戦9試合出場

オーストラリアと北アイルランドの国籍を持つMFエイデン・オニール。10代からイングランドに渡り、1部リーグのバーンリーでプロキャリアをスタートさせると同年のリバプール戦でプレミアリーグデビューを果たす。その後、同国オールダム・アスレティックAFCやフリートウッド・タウンを経て2018年に母国オーストラリアのセントラル・コースト・マリナーズに期限付きで移籍。翌年にブリスベン・ロアー、その翌年にはメルボルン・シティに所属し、リーグ制覇に2度貢献している。

MFコナー・メトカーフ

  • 所属クラブ:ザンクトパウリ(ドイツ1部)
  • 市場価値:250万ユーロ(約4億800万円)
  • 年齢:24歳
  • 今シーズンの個人成績:公式戦5試合出場

MFコナー・メトカーフは2017年に母国オーストラリア1部のメルボルン・シティに入団。2021年に行われたメルボルン・ビクトリーとの“メルボルン・ダービー”では2得点を挙げ、チームを6-0の圧勝へと導く活躍をみせた。その後も同クラブで出場時間を増やし、AFC U-19選手権2018のメンバーに選出された。アンダー世代でもAFC U-23選手権に選出されるなど着々と代表選手へと成長し、2021年に行われた2022W杯アジア2次予選の台湾戦でA代表デビューを果たす。2022年からザンクトパウリに所属している。


鎌田大地 写真:Getty Images

日本代表:4位

MF鎌田大地

  • 所属クラブ:クリスタル・パレス(イングランド1部)
  • 市場価値:1,800万ユーロ(約29億1,000万円)
  • 年齢:28歳
  • 今シーズンの個人成績:公式戦9試合1得点2アシスト

タッチの細かいドリブルでディフェンスの動きを観察しながら相手をかわすプレーが特徴的なMF鎌田大地。2020/21シーズンには、所属していたアイントラハト・フランクフルト(ドイツ1部)が42年ぶりにヨーロッパリーグ優勝を果たし、当時チームメイトだった長谷部誠氏と共に貢献した。日本人選手としては、2002年にフェイエノールトでヨーロッパリーグの頂点に立った小野伸二氏以来約20年ぶりの快挙だった。また、このシーズンで鎌田は大会得点ランキング4位タイとなる5得点を記録している。


ネストリ・イランクンダ 写真:Getty Images

オーストラリア代表:4位

FWネストリ・イランクンダ

  • 所属クラブ:バイエルン・ミュンヘンⅡ(ドイツ4部)
  • 市場価値:300万ユーロ(約4億9,000万円)
  • 年齢:19歳
  • 今シーズンの個人成績:公式戦7試合3得点1アシスト

ブルンジ内戦中、隣国タンザニアの難民キャンプに逃れた両親の元で産声を上げたFWネストリ・イランクンダは、2022年に15歳で母国オーストラリアのアデレード・ユナイテッドにてプロデビュー。同年オーストラリアリーグのオールスターズに選出され、バルセロナ(スペイン1部)との試合に参加した。

そんなイランクンダは2023シーズン、ミーティングへの度重なる遅刻や若手選手が担うべき役割を果たさなかったことが問題視され、クラブから1か月の出場停止処分が下される。試合でも相手選手を突き飛ばし乱闘騒ぎに発展するなど、やや素行に問題が残る。しかし、速さと技術を兼ね備えた技術は確かであり、バイエルンが獲得に動いたとの噂も納得だ。


南野拓実 写真:Getty Images

日本代表:3位

MF南野拓実

  • 所属クラブ:ASモナコ(フランス1部)
  • 市場価値:2,000万ユーロ(約32億3,300万円)
  • 年齢:29歳
  • 今シーズンの個人成績:公式戦8試合1得点1アシスト

2021年に行われた2022W杯のアジア2次予選で、日本代表史上初となる開幕から7戦連続ゴールを記録したMF南野拓実。更には2022年、当時所属していたリバプール(イングランド1部)で、世界最古とされるFAカップにおいて5試合4得点を記録しチームの優勝に貢献。また、ファン投票による同大会のベストイレブンにも選出されている。


ライリー・マッグリー 写真:Getty Images

オーストラリア代表:3位(2位タイ)

MFライリー・マッグリー

  • 所属クラブ:ミドルズブラ(イングランド2部)
  • 市場価値:350万ユーロ(約5億7,200万円)
  • 年齢:25歳
  • 今シーズンの個人成績:公式戦4試合出場2アシスト

オーストラリアのアデレード・ユナイテッドでキャリアをスタートさせたMFライリー・マッグリーは、コンスタントに出場時間を増やし、2017年にクラブ・ブルッヘ(ベルギー1部)に移籍するが2シーズンの在籍で出場試合はゼロ。悔しさを胸に母国へ戻ると才能が開花する。

MFながら2018/19シーズンにメルボルン・シティで27試合7得点、翌2019/20シーズンには23試合10得点と得点を量産。2020年以降は再び海外へと移籍し、2020年から2年間在籍したイングランドのバーミンガム・シティでは28試合出場で3得点、2022年からはイングランド2部のミドルズブラに完全移籍し、通算67試合出場11得点を記録している。ブルッヘ時代の“悔しさ”が強さの源になったようだ。


三笘薫 写真:Getty Images

日本代表:2位

MF三笘薫

  • 所属クラブ:ブライトン・アンド・ホーブ・アルビオン(イングランド1部)
  • 市場価値:4,500万ユーロ(約72億7,200万円)
  • 年齢:27歳
  • 今シーズンの個人成績:公式戦6試合1得点1アシスト

2017シーズンの天皇杯(JFA全日本サッカー選手権大会)、筑波大学の2年生だったMF三笘薫は茨城代表として出場。2回戦では当時J1だったベガルタ仙台相手に2得点を挙げ、筑波大のジャイアントキリングに貢献した(3-2)。卒業後は川崎フロンターレでプロキャリアをスタートさせ、瞬く間にリーグの顔に。2021年にイングランド1部のブライトン・アンド・ホーブ・アルビオンに完全移籍を果たすも、A代表未経験を理由に労働許可が下りず、ベルギー1部のロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズに期限付き移籍となった。

ユニオンSGで多くのゴールを記録し経験を積んだ三笘は、2022年夏にブライトンへ復帰。2022/23シーズンは計7得点を挙げ、マンチェスター・ユナイテッド時代のMF香川真司(現セレッソ大阪)やレスター時代の岡崎慎司氏(2024年2月に引退)に並びプレミアリーグの1シーズン最多得点記録者として名前を刻んでいる。


マシュー・ライアン 写真:Getty Images

オーストラリア代表:2位

GKマシュー・ライアン

  • 所属クラブ:ASローマ(イタリア1部)
  • 市場価値:350万ユーロ(約5億7200万円)
  • 年齢:32歳
  • 今シーズンの成績:公式戦未出場

GKマシュー・ライアンは、2010年に母国オーストラリアのブラックタウン・シティでプロキャリアをスタート。2013年にベルギー1部のクラブ・ブルッヘに移ると海外移籍1年目ながらリーグ最優秀ゴールキーパーに選出されている。2017年にイングランドのブライトンと4年契約を締結。加入後は正ゴールキーパーに定着したが2020/21シーズン途中から出場機会が奪われ、同リーグのアーセナルに期限付きで移籍。その後、スペイン、デンマーク、オランダ、イタリアと欧州各国のクラブを巡っている。2024年7月よりASローマに在籍している。


久保建英 写真:Getty Images

日本代表:1位

MF久保建英

  • 所属クラブ:レアル・ソシエダ(スペイン1部)
  • 市場価値:5,000万ユーロ(約80億7,500万円)
  • 年齢:22歳 
  • 今シーズンの個人成績:公式戦9試合2得点

FCバルセロナ(スペイン)の下部組織で育ったMF久保建英。2014/15シーズンには13~14歳で構成されるインファンティルAに所属していたが、同クラブが18歳未満の外国人選手獲得・登録違反の制裁措置を受けた影響で公式戦出場停止処分が続いたため退団。2015年3月に帰国しFC東京の下部組織へ加入した。その実力で2016年にはトップチーム2種登録となり、同年11月J3第28節(長野パルセイロ戦)に途中出場。Jリーグ出場史上最年少記録を塗り替えた。

その後、横浜F・マリノスへの期限付き移籍を経て、2019年にレアル・マドリード(スペイン1部)に活躍の場を移す。RCDマジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェを経て2022年からレアル・ソシエダに所属している。この時、元スペイン代表で2023年に現役を引退したダビド・シルバと同僚になったこともあり、久保のキャリアが更に好転。古巣のレアル・マドリード相手にゴールを決めるなど同シーズンで2桁得点を記録し、その年のクラブ年間最優秀選手にも選ばれている。


ハリー・サウター 写真:Getty Images

オーストラリア代表:1位

DFハリー・サウター

  • 所属クラブ:シェフィールド・ユナイテッド(イングランド1部)
  • 市場価値:700万ユーロ(約13億600万円)
  • 年齢:25歳
  • 今シーズンの個人成績:公式戦8試合出場

身長2mの大型DFハリー・サウターは、スコットランドのダンディー・ユナイテッドでプロキャリアをスタート。トップチームで3試合に出場した後、そのポテンシャルを買われイングランドのストーク・シティに移籍。その後、スコットランドやイングランドのクラブにレンタル移籍を繰り返し実践経験を積んでいる。

2023年、レスター・シティ(イングランド1部)に4年契約で完全移籍を果たしたが、今シーズンより同国2部のシェフィールド・ユナイテッドに期限付きで籍を移している。屈強な身体で何度も相手攻撃陣を跳ね返すサウターの牙城を日本代表攻撃陣は崩すことが出来るのか注目だ。


ピッチ外活動も関わる市場価値

最後に市場価値の算出について触れる。一般的に移籍金、年齢、個人成績、出場時間、ピッチ外の活動(主にメディア出演など)を総合して「市場価値」となる。日本代表1位のMF久保建英の場合、レアル・ソシエダに加入した2022/23シーズン当初の市場価値は900万ユーロ(約14億6,200万円)であった。しかし、同シーズンのリーグ戦35試合に出場し9ゴール7アシストを記録すると、シーズン終了時には2,500万ユーロ(約40億6,000万円)とその価値を高めた。プレー成績はもちろん、アディダスジャパンや日本航空といった名だたる企業の広告塔にも起用されていることから、市場価値が更に高まったと考えられる。

名前:Yusuke Sueyoshi
趣味:スポーツ観戦(野球、サッカー)、サウナ、ジム
好きなチーム:北海道コンサドーレ札幌、ジェフユナイテッド千葉、バルセロナ
初めまして。Yusuke Sueyoshiと申します。
普段は医療機関に勤めており、整形外科分野を中心に携わらせていただいております。
幼少期からサッカーは観てきましたので、私ならではの視点から皆様に情報を発信していきたいと考えておりますので何卒宜しくお願いいたします。

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