パリ五輪でU23日本代表と対戦したイスラエル代表に、国際サッカー連盟(FIFA)から追放される可能性が浮上。パレスチナ問題・ガザ地区での紛争が問題の発端となっているが、MFネタ・ラヴィ(ガンバ大阪)のプロキャリアを大きく左右する可能性もある。
イスラエル代表の処遇を巡っては、英公共放送局『BBC』が2024年5月17日に詳細をリポート。これによると、パレスチナサッカー協会(PFA)は同日にタイ・バンコクで開催されたFIFA総会でイスラエルサッカー協会(IFA)の資格停止にむけての投票実施を呼びかけ。PFAのジブリール・ラジューブ会長は「FIFAが他の事件と同様の厳しさと緊急性を持って行動するために、パレスチナのサッカー界はどれだけ苦しまなければならないのだろうか。FIFAが一部の戦争が他の戦争よりも重要であり、一部の犠牲者の方がより重大であると考えているのだろうか」とFIFAに対応を求めていた。
これに対して、IFAのシノ・モシェ・ズアレス会長は「我々はイスラエルのサッカーに損害を与えようとするPFAの皮肉でかつ政治的な困難に直面している。現在、我が国ではサッカーの試合が開催できない状況であり、一部の国民は依然としてガザ地区で拘束されている」と反発。
FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は、PFAからの要求に対して法的評価を経て、7月開催のFIFA評議会で決定を下す方針を打ち出していたが、パリ五輪開幕までに決着がつかず。結局イスラエル代表は同大会に参加したが、日本に0-1で敗れてグループステージ敗退という結果に終わっている。
A代表が10月にUEFAネーションズリーグ(対フランス代表、イタリア代表)を控えているイスラエルだが、この2試合を前に問題が決着するとのこと。PFAは26日に「FIFAは10月3日にイスラエルを国際大会から追放するかどうか最終決定を下す」と声明を発表。もし追放となれば、UEFAネーションズリーグから除外となるだけに、これまでコンスタントにA代表に招集されていたネタ・ラヴィへの影響は必至だ。
なおFIFAやUEFA(欧州サッカー連盟)は2022年、ロシアのウクライナ侵攻を受けて同国代表をFIFAワールドカップ・カタール大会欧州予選プレーオフから追放。ロシア国内クラブもUEFAチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグなどから締め出している。パレスチナ問題とともに、イスラエル代表の今後にも注目が集まる。
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