先月まで開催されていたパリ2024オリンピック(パリ五輪)。サッカー日本代表は予選グループリーグを全勝で突破するも、決勝トーナメント初戦で優勝したスペインに3-0で敗れベスト8で散った。残念ながらメダル獲得には届かなかったものの、若き日本代表の選手たちは個々に躍動感あふれるプレーを見せてくれた。
なかでも印象的だった選手の1人が、大会メンバーで最年少となったDF高井幸大だ。19歳とは思えないほどの落ち着いたプレーで存在感を放ち、この9月のFIFA北中米ワールドカップのアジア最終予選ではA代表にも初招集され初戦(中国戦)で堂々デビューを飾った。
そんな次世代の担い手たちが国内外で活躍する昨今、国内2部のJ2リーグにも、まだ若手ながらチームにとって重要な選手は多い。ここでは、今季のJ2で大きな存在感を放っている20歳以下の選手を4名紹介していく。
西原源樹(清水エスパルス)
昨年惜しくもJ1復帰を逃した清水エスパルス。FWチアゴ・サンタナやMF中山克広ら主力選手が流出しつつも新戦力の活躍もあり、今季は序盤戦から大きく躓くこともなく現在優勝争いを演じている。そんな清水で注目を集めているのが、ユース出身の新星MF西原源樹だ。
2種登録で開幕を迎えた今季、開幕戦(ロアッソ熊本戦2-1)でいきなりデビューを飾ると、以降持ち前のドリブル突破で魅了。第11節ベガルタ仙台戦(3-2)ではエリア内での見事な突破から初ゴールを挙げるなど、出場すれば必ずと言っていいほど見せ場を作っている。スタメンでの起用はわずかに1試合と少ないが、短い時間で結果を出していることから指揮官の信頼は十分に勝ち得ていると言えよう。
6月にはプロ契約も結んでおり、今後ますますチームを引っ張る活躍が期待される。ポジションを争う存在としては、背番号「10」を背負う主軸の1人FWカルリーニョス・ジュニオがおり定位置確保は容易ではないだろう。しかし、下部組織出身であることに加え会場を沸かせるプレーの数々を見れば、遠くない将来エースとして名乗りを挙げるのは想像に難くない。まだまだ17歳と成長著しい西原。残りのシーズン、J2優勝とJ1復帰に向けてカギを握る存在になると言っても過言ではないだろう。
保田堅心(大分トリニータ)
今季を迎えるにあたり、かつて一時はJ3へと沈んだクラブをJ1まで導いた片野坂知宏監督が3年ぶりにチームへ復帰。J1昇格に向けて心機一転スタートを切った大分トリニータだが、ここまでは苦しい戦いが続く。開幕直後は5試合で2勝2分1敗とまずまずの滑り出しだったが、5月以降は9戦未勝利などで勝ち点が伸び悩み、現在は降格圏と勝ち点6差の16位に低迷している。
それでも、GKから最前線まで各ポジションに伸び盛りの若手有望株が複数揃っており、今後の楽しみが多いクラブであることも間違いない。なかでも今季活躍の光るのはMF保田堅心。安定したパス捌きはもちろん、ここまで4ゴール1アシストと決定力の高さも誇る。また、推進力も高くワンタッチで相手を剥がしながら前を向きボールを前進させられることも大きな武器。密集地帯でもフィジカルとテクニックを駆使してチャンスメイクを計れるのが魅力だ。
リーグでも2番目に少ない得点数が苦境の一因になっている大分にとって、得点力も含め保田の攻撃への貢献度は計り知れない。まずは残留争いから明確に抜け出すためにも、若き大型ボランチへの期待は大いに増していくことだろう。
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