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「上田綺世が必要」と現地主張。フェイエノールト構想外報道から一転のワケ

上田綺世 写真:Getty Images

 日本代表FW上田綺世は、今月14日開催のAFCアジアカップ・グループステージ第1節ベトナム戦で追加点をマーク。所属先のフェイエノールトでは出場機会に恵まれていないが、ここに来てオランダ国内では上田の必要性を訴える声が広まっているという。

 上田は2022/23シーズンにベルギー1部リーグで20ゴール以上をマークした実績を買われ、昨年夏にサークル・ブルッヘからフェイエノールトへ完全移籍。しかしメキシコ代表FWサンティアゴ・ヒメネスが絶対的ストライカーとして活躍しているだけに、オランダ1部リーグでのスタメン出場がないまま、日本代表活動参加のためチームを離れている。

 その日本代表では、前線1トップでレギュラーに定着。ベトナム戦でもFW細谷真大(柏レイソル)にかわって後半キックオフからピッチに立つと、85分にMF久保建英(レアル・ソシエダ)のアシストから貴重な追加点を奪った。

 一方、フェイエノールトは今月14日に行われたオランダ1部リーグ戦でFW小川航基擁するNECナインメン相手に2-2と引き分け。格下相手に勝ち点を落としただけに、現地ファン・サポーターからの批判が相次いでいる。

 『ESPN』のスポーツ番組では、NEC戦におけるフェイエノールトの戦いぶりに関する議論が白熱。司会者から「上田など複数選手の離脱は言い訳にできない」という声が飛んだ一方、NACブレダなどオランダ国内の複数クラブでプレーしたケイス・クワクマン氏は「相手が低い位置で守備ブロックを敷き、ボールを放り込みたい場合に、上田のようなストライカーがひとり必要だった」と、日本代表FWの必要性を主張。

 これに対して、かつてアヤックスやPSVアイントホーフェンでプレーしていたケネス・ペレス氏は「それならば、アジアカップに招集される可能性のないストライカーを獲得する必要がある」と反応したという。

 一方、オランダ紙『テレグラーフ』は今月12日に「上田の獲得は期待外れだ。まだ移籍金に見合うだけのパフォーマンスを発揮できていない」と酷評。限られた出場期間における決定力の低さを指摘するなど、上田がフェイエノールトで構想外となる可能性を伝えていた。

 なおフェイエノールトはリーグ戦再開初戦でNEC相手に引き分けたことにより、首位PSVとの勝ち点差が12に拡大。現地では「2位キープも難しい」などと、チームの現状に悲観的な声が上がっているという。