
通称「5年周期」の始まり
2000年の躍進でその後の活躍を期待させたものの、翌年には16チーム中15位であえなくJ2降格となった福岡。そこからは通称「5年周期」と呼ばれた「4年かけてJ1に昇格し1年でJ2降格」というサイクルを繰り返すことになる。
2005年、松田浩監督(現テゲバジャーロ宮崎監督)が若手選手を積極的に起用し、ゾーンディフェンスとディシプリン(規律)を重視したサッカーでJ1昇格したものの、翌年降格。
2010年、篠田善之監督(現ヴァンフォーレ甲府監督)が豊富とはいえない戦力を巧みにやりくりし、J1昇格を達成したものの補強が進まず、翌年降格。
2015年、井原正巳監督(現柏レイソル監督)が守備を整備し、DF冨安健洋(現アーセナル)やGK中村航輔(現ポルティモネンセ)らの活躍もあって3位でJ1昇格プレーオフに進出。準決勝でV・ファーレン長崎に勝利し、決勝ではDF中村北斗の劇的ゴールでセレッソ大阪と引き分けてJ1昇格を果たす。ところが、翌年J1最下位でまたもや降格。
2020年、現在も指揮を執る長谷部茂利監督がJ1昇格に導いたことを含めて、実に20年もの間、このサイクルは続いた。

クラブ存続の危機も
また、2013年10月に発覚した経営難についても触れなければならないだろう。運営資金約5,000万円が不足し、クラブははっきりと存続の危機に立たされたのだ。辛子明太子を生み出した「株式会社ふくや」や、地元サポーター、他クラブのサポーターも含めた支援のおかげでこの危機を乗り越えたからこそ、今があることを忘れてはならない。
筆者はこの時の経験によって「クラブがあること」の幸せをこの上ないほどに痛感した。各クラブはライバル関係ではあるが、今後1つたりとも消滅することなく、ともにリーグを盛り上げる存在でありたいものだ。

2021シーズンの歓喜
20年間もの「5年周期」や経営難を経たこともあり、2度目の躍進となった2021年は古くからのサポーターにとってほど感慨深いシーズンとなった。前評判は低く、多くの有識者にJ2降格を予想されていたものの、ようやくJ1残留を果たしたのである。
J1にアジャストできていなかったシーズン序盤戦は苦戦したが、堅守を武器に第10節から第15節には6連勝を飾るなど、終わってみれば8位でトップハーフ入り。長きにわたる「5年周期」を終わらせると、翌2022年も残留に成功した。今季も第15節終了時点で10位と、リーグ全体における予算規模や観客動員数を考えると上出来な位置にいる。

次なる200勝に向けて
このような良い流れで、現在福岡がJ1通算100勝まで「1」に迫っているのは素晴らしいことだ。長年の低迷による福岡県民への浸透や観客動員数の低迷、債務超過などの課題はあるが、いずれも徐々に改善傾向にある。
地元福岡県出身選手の増加や、地元の強豪校との関係構築、5月29日に発表されたばかりのタイリーグ1部のポートFCとのパートナーシップ締結など、クラブは新たなステージを見据えて進み続けている。
まもなく達成するであろう100勝目は、どのような景色だろうか。次の200勝目までの道中は、どのような行程を辿るだろうか。
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