ボーンマスのアウェイユニフォーム
次はボーンマスのアウェイユニフォーム。ボーンマス地域はイギリス南部に位置し、非常に人気の高いビーチリゾートだ。毎年週末になると約10万人以上の観光客と、大量のアイスクリームが販売されているそう(※アイスクリームは現地の方の情報)。
それに伴い、クラブの商品紹介によると、アウェイユニフォームの内容は非常にシンプル。ボーンマス地域の特徴「海辺」を元にしたデザインで、全体的にやわらかな色合いの青。しかし、ちょっとした小技が効いていて、やや色調(濃淡)を変えながら、植物の「ヤシ(ヤシの木)」の葉が数枚重なり合っている。
なんとなく筆者がイメージしたのは、ヤシの木が多く生息しているビーチの砂浜に寝そべって、間髪をいれず「ああ~!」と体を伸ばし、腕時計を見れば時刻は夕方17:00。「まだ、ゆっくりしよう」と、ふと空を見上げた時の世界のような、そんなイメージがユニフォームから感じ取れた。皆さんはどんなイメージだろうか。ボーンマスのゆったりとした環境が、とても伝わってくるユニフォームだ。
ちょっと深掘りした小話。昔々(1890年創設時)このクラブは、現在のボーンマスという名前ではなく「ボスコム」という名前だった。しかし、もっと地域性を強く押し出していこう!ということで、ボーンマスになった(1972年)ということだ。
そして、クラブのシンボルマークの「ボールをヘディングするサッカー選手」は、クラブの歴代最高得点者の1人であるディッキー ・ドーセット(1957–1962)を称えてデザインされている。個人的に筆者はとても好きなデザイン。
フラムのアウェイユニフォーム
さて、最後はフラムのアウェイユニフォーム。フラムはロンドンのテムズ川の北側の地域。クラブの商品紹介によると、クラブの伝説と呼ばれたプレーヤーの多くはテムズ川沿いの地域で育っており、今後のさらなるレジェンド誕生の願いがこのユニフォームに込められているそう。
テムズ川を彷彿させるミントブルーは、かなり爽やか!なんとなく、大昔食べた飴とソーダガムが一体化されている、あの味をフラッシュバックさせる感じ(The 80s)。皆さんはご存じだろうか、あの味・・。
そして特に注目をしたい部分は、フラムのホームスタジアム「クレイヴン・コテージ」の印象的なレンガ造りを、現代風にアレンジしユニフォームの柄に採用したところ。確かに長方形型のデザインが、市松模様のようにガシッガシッと積まれているように見える。そこにグラデーションが入っているので、一見新しい手法のカモフラージュ柄かな?とも感じたが、これは「レンガ造り」だった訳だ。
ちょっと深掘りした小話。フラムのスタジアムは、1896年開場当初木造のオレンジ色の箱の様な建物で、周囲からは「ウサギ小屋」と呼ばれていたそう。その後、安全面を考慮してやむなく一時閉鎖をし、1905年スコットランドの建築家アーチボルト・リーチ氏が現在の非常に特徴的な「赤レンガ造り」にデザインした。
ということは、ある意味このユニフォームには、アーチボルト氏の魂の一部が組み込まれている様なもの。たとえホームではないスタジアムで試合をしても、フラムのメンバーは「クレイヴン・コテージ」を着用し、地域と共に試合に挑むことが出来るという訳だ。
意外と、各クラブの歴史やメッセージ、地域性がちょいちょいっと、散りばめられているアウェイユニフォーム。単なるグラデーション、幾何学模様、ペイズリー、ストライプ 等、ではないところが面白い(ドドン!ここは和太鼓を鳴らしたいほどの熱量)。
フットボールは性別、年代、国籍、国境を超えていく不思議な伝統文化。みんなで楽しんでいこう!
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