Jリーグ

国内3大タイトル初獲得を目指すJクラブたち【J1、ルヴァン杯、天皇杯】

川井健太監督(左)長谷部茂利監督(右)写真:Getty Images

明治安田生命J1リーグは2022シーズンの折り返し地点を通過。JリーグYBCルヴァンカップ(ルヴァン杯)はベスト8、天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会(天皇杯)はベスト16のチームが出揃った。「国内3大タイトル」と呼ばれるこれらの大会での優勝を目指して、各クラブが熾烈な競争を繰り広げている。

ここでは、1度も3大タイトルを獲得したことのないクラブに焦点を当ててみよう。国内3大タイトルの初獲得となったクラブは、2019年に天皇杯を制したヴィッセル神戸が最後である。3年ぶりに初めてユニフォームに星を付ける権利を得られるクラブは誕生するだろうか。2022シーズンの各大会で悲願の初タイトル獲得を目指すクラブを紹介する。


サガン鳥栖 川井健太監督 写真:Getty Images

J1リーグ:サガン鳥栖

2022シーズンの折り返しを越えた明治安田生命J1リーグ。第17節終了時点で首位争いをしているのは、横浜F・マリノス、鹿島アントラーズ、川崎フロンターレの3チームで、いずれも国内タイトル獲得数が5回を越える強豪だ。順位表をもう少し下まで見てみても、タイトル獲得経験があるクラブが並ぶ。

初タイトルを目指すクラブで最上位なのは、現在8位のサガン鳥栖だ。より下のクラブも可能性が0ではないが、現実的に首位との勝ち点差を考えると、この位置がギリギリではないか。鳥栖がJ1優勝するには、勝ち点差10を詰めねばならないため非常に難しいことには違いない。それでも川井健太監督が作り上げた柔軟性の高いサッカーをさらに成熟させられれば、可能性は0ではないだろう。

鳥栖の攻撃時と守備時でも試合によっても形を変える可変システムは、相手がどこであれ魅力的に映る質を誇っている。不安要素は、豊富な運動量を夏場でも維持できるのかという部分。大型連勝を達成して勢いづき、上位陣を一気に捲ることはできるだろうか。


アビスパ福岡 長谷部茂利監督 写真:Getty Images

ルヴァン杯:アビスパ福岡

ベスト8が出揃った、JリーグYBCルヴァンカップ。8月3日から始まるプライムステージ進出を決めたのは、名古屋グランパス、セレッソ大阪、サンフレッチェ広島、アビスパ福岡の4チーム。これにAFCチャンピオンズリーグ(ACL)に出場していた川崎フロンターレ、横浜F・マリノス、ヴィッセル神戸、浦和レッズを加えた8チームが、頂をかけた戦いに挑む。

この8チームのなかでタイトルを獲得した経験がないのは、アビスパ福岡のみとなる。リーグ戦では最少得点と苦しんでいるチームだが、堅守はある程度維持できており、カップ戦のような短期決戦のほうが得意ではないかと推測する。不安要素は先制されてしまった場合。攻撃のバリエーションは乏しく、引かれた場合に相手を崩せるか疑問は残る。

ルヴァン杯プライムステージの組み合わせは、6月29日のオープンドロー(抽選会)によって決まる。アビスパ福岡は、グループステージではジュビロ磐田とFC東京を、プレーオフステージでは鹿島アントラーズを退けており、クラブ初のベスト4まで進出できればその勢いのままに初戴冠が一気に見えてくるだろう。


ヴァンフォーレ甲府のゴール裏 写真:Getty Images

天皇杯:サガン鳥栖、アビスパ福岡、V・ファーレン長崎、ヴァンフォーレ甲府、ザスパクサツ群馬、栃木SC

ベスト16までが出揃った、天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会。J3以下のクラブはすべて敗れてしまったが、J2クラブをはじめ初タイトルを目指すクラブが数多く残っている。3回戦で川崎フロンターレ、横浜・F・マリノスといったJ1優勝争いをしているクラブや、FC東京、北海道コンサドーレ札幌、浦和レッズがJ2クラブに敗れて姿を消したことで、そのチャンスはさらに大きくなっている。

ベスト16のうち初タイトルを目指すクラブは、サガン鳥栖、アビスパ福岡、V・ファーレン長崎、ヴァンフォーレ甲府、ザスパクサツ群馬、栃木SCの6クラブだ。4回戦では、福岡対長崎、鳥栖対甲府の直接対決が行われ、栃木は京都サンガと、群馬はサンフレッチェ広島と相まみえる。

準々決勝、そして賞金圏内となる準決勝まで進むことができれば、初タイトル獲得への気運は一気に高まるだろう。天皇杯では、2011年には当時J2に所属していたFC東京が優勝し、昨2021年にはJ2降格が決まっていた大分トリニータが決勝戦まで進出した。一発勝負のカップ戦に、カテゴリーやリーグ戦での立場はまるで関係ない。

天皇杯4回戦が行われるのは7月13日。各会場で行われる、熱い戦いに注目だ。

名前椎葉 洋平
趣味:サッカー観戦、読書、音楽鑑賞
好きなチーム:アビスパ福岡、Jリーグ全般、日本のサッカークラブ全般

福岡の地から日本サッカー界を少しでも盛り上げられるよう、真摯に精一杯頑張ります。

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