プレミアリーグ レスター・シティ

プレミアリーグ史に残るゴール特集【忘れられない感動をもう一度】

写真提供: Gettyimages

誰しも忘れられないゴールを持っている。
そのゴールが全世界を感動の渦へと誘い、そのゴールがクラブの歴史を動かし、そしてそのゴールが後世へと語り継がれる。

そんな感動の瞬間とも言えるクラブ史に残るゴールをご紹介していきたい。
今回対象となる大会は2010年以降のプレミアリーグ、チャンピオンシップ、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグから選定した。


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【マンチェスター・シティ】

「2012/5/13 プレミアリーグ QPR戦(H)」

44シーズンぶりにシティに優勝をもたらしたAT弾。シティの躍進を語る上でまずはこのゴールは欠かせない。2011/2012シーズンはハラハラさせられるシーズンだった。最終節まで優勝が分からない、しかもマンチェスターの両雄であれば尚のことだ。37節終了時点で勝ち点は86。得失点差でユナイテッドを圧倒しているシティだったが、最終節は残留争い真っ只中のQPRとお互いに消化試合とはいかなかった。試合は先制して前半を折り返したものの、後半に一挙2点を返され形勢逆転。同時刻キックオフのサンダーランドvsマンチェスター・ユナイテッドでユナイテッドがリードしている速報とともにシティ万事休すかと思われた後半AT。ダビド・シルバからのCKにエディン・ジェコが頭で合わせて同点に。優勝には後1点必要、残り時間あと僅かとなった状況の中、「ミスターシティ」が歴史を作った。


中央で囲まれながらもマリオ・バロテッリがボールを繋ぎ、最後はセルヒオ・アグエロ。振り抜いた右脚はシティを悲願のプレミアリーグ制覇へと導いた。このゴールはシティ好きにはたまらない瞬間と言ってもいいだろう。


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【ワトフォード】

「2013/5/12 チャンピオンシッププレーオフ レスター・シティ戦(H)」

ドラマチックな結末にヴィカレッジ・ロードが揺れた。プレミアリーグへの切符残り1枠をかけて争うチャンピオンシッププレーオフから。決勝ウェンブリーに向けてワトフォードとレスターが激戦を繰り広げた。1stLegではレスターが1−0で勝利を収め、2ndLegワトフォードは2点差以上での勝利が必要だった。開始15分でマチェイ・ヴィドラのゴールで先制に成功したが、すぐに同点に追いつかれる展開に。65分に再びヴィドラが追加点を上げるが、アウェーゴールの差でこのままではレスターがウェンブリーに。さらなる悲劇がワトフォードに襲いかかる。後半ATにマルコ・カッセッティがアントニー・クノッカールを倒しレスターにPKを与えてしまう。この判定にワトフォードのプレミア復帰の夢は終了した。かのように思われた。


クノッカールのシュートをマヌエル・アルムニアがストップ。クリアボールからサイドへボールを展開し、フェルナンド・フォレスティエリがクロス。ジョナサン・ホッグが頭で中央で折り返したところに最後はトロイ・ディーニーが豪快なボレーを一発。PKストップからの見事なカウンターに成功し、喜びのあまりファンがピッチに乱入する事態に。ワトフォードは劇的な形でレスターを退けクリスタルパレスが待つ決勝の舞台へ駒を進めた。


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【レスター・シティ】

「2016/5/03 プレミアリーグ チェルシーvsトッテナム」

レスターに優勝をお膳立てしたあのゴール。ミラクルレスターとして世界を湧かせた2015/2016シーズン。このシーズンではレスターとトッテナムが優勝争いを繰り広げた。ジェイミー・バーディ、リヤド・マフレズ、エンゴロ・カンテなどそそうそうたるメンバーを擁したレスターを止められるものは現れず、35節終了時点で首位レスターは勝ち点76、2位トッテナムが勝ち点69。マンチェスター・ユナイテッドとの試合に引き分けたレスターが勝ち点を76に伸ばし、トッテナムは難所スタンフォード・ブリッジでチェルシーと対戦した。この試合で生まれたゴールは結果レスターに歴史的な1ページを刻み込んだ。

珍しくシーズン序盤から不調だったエデン・アザールがこの試合では後半から投入され大仕事をやってのけた。2点ビハインドからガリー・ケイヒルのゴールで1点返し、徐々に主導権がチェルシーへ。83分アザールが小回りの利いたターンからジエゴ・コスタへボールを渡し、アザールの動きを見ていたコスタはそのままアザールへ絶妙なパス。ダイレクトで放ったアザールのシュートは誰にも触れられることなくゴールネットを揺らし同点に。この瞬間、レスターに関わる全ての人間が大いに盛り上がった。試合はこのまま動かず終了し、レスターがプレミアリーグ初制覇を収めた。

名前:秕タクオ

国籍:日本
趣味:サッカー、UNO、100均巡り

サッカー観戦が日課のしがないサラリーマンです。かれこれ人生の半分以上はサッカー観戦に明け暮れ、週末にはキルケニー片手にプレミアリーグやJリーグにかじりついています。

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