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【ビッグ6への下剋上】プレミア中堅クラブの今シーズン展望〜第1部〜

【エバートン】編集部注目度:★★★★☆

アンドレ・ゴメスの慰留に成功したのはエバートンにとって吉報だった。昨シーズンバルセロナからローン移籍で加入し、瞬く間にチームの主軸としてエバートンの躍進に貢献した。イドリッサ・ゲイェとのバランスが絶妙で、攻守において今後も重要人物になることは間違いない。この恩恵を受ける形で、リシャルリソン、ギルフィ・シグルズソン、ベルナルジは攻撃態勢を維持することができ、シーズン終盤に見ることができた厚みのある攻撃を今シーズンは序盤から展開することができるだろう。

若手たちのさらなる躍動にも注目したい。2018年冬に加入したジェンク・トスンが結果を残せない中で、ドミニク・キャルバート=ルーウィンがマルコ・シウバの御眼鏡に適ったようだ。昨シーズン終盤は専らトップに彼を起用する試合が目立った。また交代オプションとしてピッチに送られるアデモラ・ルックマンもエバートンの攻撃にアクセントを加えることができ、俊敏性に富んだ突破に相手も手を焼くことになるはずだ。

ただ、クル・ズマのチェルシー帰還によりディフェンスラインに不安要素が伺える。そういった意味では、昨シーズン加入したジェリー・ミナにエバートンの今シーズンがかかっているのかもしれない。昨シーズンは一時期出場機会を得ていたものの、マルコ・シウバはマイケル・キーンとクル・ズマの2人をセンターバックに配置し、ミナはファーストチョイスではなかったことは明白だった。的確なポジショニングができるようになればプレミアリーグにも順応できるはずだ。


【ウルブス】編集部注目度:★★★☆☆

ウルブスの躍進は昨シーズンの注目ポイントの1つだった。歴代プレミアリーグ昇格チーム初年度順位の中で最高となる7位を記録しヨーロッパリーグの予選ラウンドへの進出が決まった。

昨シーズンと同様、ルベン・ネベス、ジョアン・モウチーニョを中心軸にして攻撃を展開することが予想されるだろう。またラウール・ヒメネスは昨シーズン、試合を重ねるに連れて成長を遂げた選手である。ペナルティエリア内で囲まれても股下を通してゴールを決めることに長けており、ゴールへの嗅覚は一般的なストライカーとの異質さを感じさせる。つい最近まで開催されていたゴールドカップでも5ゴール2アシストを記録し、メキシコの優勝に大きく貢献した。

プレミアリーグでも渡り合えることを大いに証明してみせたウルブスだが、今シーズンは昨シーズンと違いヨーロッパリーグの戦いを両立させなければならない。ビッグクラブでないチームにとってはかなりの負担になるのは昨シーズンのバーンリーを見ても明らかだ。特に昨シーズン非常に強固な守りを披露した、3センターバックの疲労が懸念される。基本的には、ウィリー・ボリー、コナー・コーディ、ライアン・ベネットの3銃士にロマン・サイスがバックアッパーで入る形でウルブスディフェンスが形成されたが、ここの手薄さは未だに拭えない状況だ。

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名前:秕タクオ

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サッカー観戦が日課のしがないサラリーマンです。かれこれ人生の半分以上はサッカー観戦に明け暮れ、週末にはキルケニー片手にプレミアリーグやJリーグにかじりついています。

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