鹿島アントラーズ 北海道コンサドーレ札幌

鹿島アントラーズ、札幌に3発快勝も大岩剛監督は試合の終わらせ方で改善点指摘 「ゲームプラン通りも…」

鹿島アントラーズの大岩剛監督 写真提供:GetrtyImages

 鹿島アントラーズは17日、アウェイ札幌の地で明治安田生命J1リーグ第4節・北海道コンサドーレ札幌戦に臨み、3-1と勝利を飾っている。

 先週なかばの12日に中国でAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージ第2節・山東魯能泰山戦から先発メンバーを6人入れ替えて臨んだこの一戦では、12分に自陣から得意のロングカウンターを展開すると最後はFW伊藤翔がGKク・ソンユンの動きの逆手をとるようなループシュートにより先制ゴールをあげる。

 その後もアントラーズは再三にわたりカウンターから決定機を演出すると、23分にもFW伊藤翔が追加点をマーク。後半に入ってもコンサドーレの最終ラインの裏を効果的に突くなど、プラン通りの試合運びをすると76分には再びロングカウンターからFWレアンドロが試合を決定づける3点目をあげた。

 ただ80分以降は自陣に引いてブロックを固める場面が目立つようになり、試合終了間際の85分にはコーナーキックの場面からFWアンデルソン・ロペスに頭で押し込まれ2点差に詰め寄られた。

 試合後、引き締まった表情で会見場に姿を現した大岩剛監督は試合内容について「全体を通じてプラン通りの動きを選手たちがしてくれて良い形で得点することができた」と一定の評価を行った。

 この試合では守備ブロックを固め、再三にわたり縦パスが入る場面でボール奪取に成功するシーンが見られたことについて「守備に部分で連動して相手のウィークポイントを突くという攻守が一体となっているところで自分たちの目指すものができていた」と具体的なポイントをあげている。

 ただ「最後のセットプレーからの失点はレベルの高いチームを目指す上でやってはいけないということを選手たちに共有した」と語っており、さらなるレベルアップを図るためにも改善点が浮き彫りになったと強く認識している。

 その試合終了間際に失点した原因については「少し後ろに重くなった。ボールホルダーに対するプレスに行けなくなったので、交代カードを使うことによって勢いを出そうと思ったが、選手の中では自信を持って後ろで守ろうという意識が強すぎた」とコメント。

 大岩監督の交代カードに込められた意図と選手たちがピッチ上で共有していた試合の終わらせ方に乖離が生じていたことをあげており、次節までに修正する必要があるという考えを示した。

 開幕節・大分トリニータ戦で敗戦を喫したことによって、一時は今季の行方を不安視する声が周囲であったものの、「もう一度原点に戻って選手と一緒に作り上げてきた」戦術で代表ウィーク前最後の一戦で勝ち点3を上乗せすることに成功した鹿島アントラーズ。

 常にタイトル獲得が求められる集団において、指揮官は着実にチーム全体がレベルアップを図ることができていることに確かなる手応えを感じていることだろう。