プレミアリーグ リバプール

Dr.TRIBE【試合診断書】 CLグループステージ リバプール対ナポリ

大会:UEFAチャンピオンズリーグ
カード:リバプールvsナポリ
スコア:1-0
担当医:菊池大将(@yukkenokonoko
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポインティング・プレーヤー(MDP)
・両チームの攻撃vs守備
・両チーム監督
・主審


マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM):モハメド・サラー

チームをノックアウトラウンドに導く貴重な決勝弾。彼がポストプレーなど、9番(役割)としてのプレーの幅を獲得したことでリバプールの攻撃はより怖さを増している。9番でありながらサイドで仕掛け、パウロ・ディバラのように動きながらバイタルであらゆる角度からボールを引き出す姿はまさにスーパーだ。

ザ・ハード・ワーカー(THW):リバプールの全選手

サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノ、ジョルジニオ・ワイナルドゥム、ジェイムズ・ミルナーを中心に誰もがハードワークを惜しまなかった。シーズンを通してこのパフォーマンスを見せることは不可能だが、ナポリにこれだけのロングボールを選択させるチームはほかにないだろう。

モースト・ディサポインティング・プレーヤー(MDP):マレク・ハムシーク

数的不利な中盤で動きまわされ、早々にバテてしまった。プレスに苦しみ、パスの精度も発揮することができなかった。


リバプールの攻撃vsナポリの守備

リバプールはフィルミーノがパスコースを作りつつ、数的有利な中盤で素早くボールを回しながらプレスを回避。ナポリは高い位置からプレスをかけたが、中盤の構成的な問題もあり、中々ジョーダン・ヘンダーソンを消しきれない時間が続く。フィルミーノが良いタイミングで顔を出し、マーカーを引き付けたことも大きい。ただ、ナポリが上手だったのは最終ラインの位置設定。中盤では多少不利になるものの、ラインの設定を少し低めにすることでリバプールのロングボールに対しては優位性を持っていた。そして、サイドでカリドゥ・クリバリを中心にボールを回収。

ただ、リバプールの縦への意識と守備への切り替えの早さと圧倒的な押し上げに苦戦。高い位置で奪われてカウンターの餌食となった。しかし、1番危険なところではアランとクリバリ、ダビド・オスピナが踏ん張ることで1失点に踏みとどまった。また、前線の2枚がリバプールがサイドでボールを持った際に中央へのパスコースをけん制することで、サイドチェンジを未然に防ぐことにも成功した。ただ、これがハマりきらなかった際には大きなピンチを招いている。

後半はミルナーを少し低い位置に落として、アンドリュー・ロバートソンを高い位置に押し上げようと試みたリバプール。この作戦と、ロバートソンの臨機応変に中にポジションを取る動きがさらにナポリを困らせた。また、フィルミーノが下がってできたスペースをワイナルドゥムが使うことで、さらに混乱を招いている。また、この試合で特徴的だったのが、ナポリが得意とする相手守備ブロックを囲う形でのボール回しを、リバプールのほうが上手に行っていたこと。これにより攻撃時のボールの角度が目まぐるしく変わるため、DFは難しい対応を迫られた。


ナポリの攻撃vsリバプールの守備

リバプールは序盤から激しいプレスでナポリのビルドアップを妨害。しかし、ナポリもロレンツォ・インシーニェが縦のパスコースを作りながら上手にボールをはたくことで攻撃を成り立たせた。ただ、時間が進むにつれてリバプールのプレスの餌食となったナポリは普段では見せない数のロングボールをビルドアップで多用。前線は高さで圧倒的に不利だったため、ボールロストに直結するプレーとなった。

後半は中盤での数的不利解消のためにファビアン・ルイスを内側でプレーさせ、マリオ・ルイを高い位置へ押し上げたナポリ。これが一定の効果を見せ、サイドチェンジや逆サイドへのクロスを中心にチャンスメイクに成功する。ただ、数的同数になってもリバプールのプレスの強度は変わらず、徐々にペースを失った。攻撃面でもクリバリのドリブルでの持ち運びに助けられるなど、普段ではあまり見せない姿を見せている。極めつけはパワープレー。ナポリをここまで追い込んだリバプールに脱帽だ。


リバプール監督:ユルゲン・クロップ

戦術を超越した何かを選手に植え付け、普段であれば考えられないような運動量を見せつけた。そこに戦術を加えるのだから強いはずだ。前半戦との違いが見えたのは、中盤の選手の意識。ボールを持った際にドリブルを選択する回数の少なかったアウェイでの前半戦に比べ、ミルナーやワイナルドゥムが相手を1枚はがすことでナポリのプレスを回避しつつ、優位性をもって攻撃することができた。また、サラーのプレーの幅が増えていることでフィルミーノの個性がより活きていることも大きいだろう。


ナポリ監督:カルロ・アンチェロッティ

前半戦は見事に戦術がハマり勝利を収めたが、今節は完全に中盤を攻略されてしまった。中盤の構成を活かしたプレッシングやパス回しに終始苦しみ、試合途中からは強烈なサイドチェンジを受けたことで、そちらへの対応もしなければいけない事態に。ただ、ラインの設定など要所要所に百戦錬磨の名将らしさを発揮。ただ、プレミアリーグの波に飲み込まれた感は否めない。


主審:ダミル・スコミナ

全体的に判定が遅く、ナポリ寄りと取られてもおかしくないジャッジが多かった。外れはしたがフィルジル・ファン・ダイクのオフサイドを取ったシーンは完全にオンサイドだった。ゴールになっていたら、大きな批判にさらされていただろう。