セリエA ミラン

ミランがアタランタ相手に勝ちきれなかった5つの理由

著者:菊池大将(@yukkenokonoko

日本時間24日に行われたセリエA第5節ミラン対アタランタ。ミランは序盤に先制に成功し、1度は追いつかれたものの、すぐに勝ち越した。ただ、試合終了間際に同点弾を許しホームで勝ち点1という結果に。今回は、ミランがアタランタに勝ちきれなかった5つの理由をご紹介する。


チャルハノールのコンディション不良

前節で左手小指を骨折したチャルハノールはギブスをつけてアタランタ戦に挑んだ。しかし、彼のパフォーマンスの中で光ったのはジャコモ・ボナベントゥーラ、リカルド・ロドリゲスとのポジションチェンジを絡めた組み立てぐらいだっただろう。ゴンサロ・イグアインとの距離感や、イグアインの空けたスペースの使い方など、課題の克服は進んでいるように見えた。しかし、イグアインとの連携意識の強さゆえか、これまで見せてきたゴールに近いエリアでの輝きを失っている。イグアインを活かすと同時に、自身の強みも活かしてほしい。


アタランタのシステム変更

筆者が気づいただけで、アタランタは3回システム変更を行った。入りは3-4-1-2、次がエミリアーノ・リゴーニを投入しアレハンドロ・ゴメスを1列下げた3-4-2-1、そしてヨシップ・イリチッチを投入しアンドレア・マジエッロをSB、レモ・フロイラーを1列上げた4-1-2-3、そしてマジエッロの位置を変えず、ティモティ・カスターニャを右ボランチに配置した3-3-1-3。ミランが完全に主導権を握れていたのは3-4-1-2の時だけ。

3-4-1-2はシステム的にミランの4-1-2-3と完全にがっぷり四つになるため、プレーの精度と強度で勝れば相手を圧倒できる。ただ、1回目のシステム変更によりリゴーニとゴメスがルーカス・ビリア(アンカー)の両脇のスペースにタイミングよく顔をだすとミランは混乱した。相手のシステム変更に素早く対応できなければ、シーズンの長い戦いは厳しいものになるだろう。


クトローネの不在

2度追いつかれ、残り時間も短くなったミランには試合を決定づけるジョーカーがいなかった。負傷の影響でベンチ外となったクトローネがいれば、少しは状況も違っただろう。サム・カスティジェホなどを投入していたミランだが、嚙み合っていない試合展開では相手に与える脅威は限られる。クトローネであれば、流れを無視してゴールを奪うだけのポジショニングを取れるため、再びの勝ち越しに可能性を残せただろう。


一貫性の無さ

前半のミランは素晴らしい集団だった。集中力、強度、勇気、どれも申し分ないレベルにいた。しかし、後半は疲労や集中力の欠如、ビルドアップ時の臆病な姿勢から一気に崩れた。圧倒的なリーダーがいないことも影響しているかもしれない。疲労に関しては致し方ない部分もあるが、残りの2つに関しては防げた部分だろう。ピッチ内からチームを鼓舞する存在が必要だろう。


VAR+オルサートの最強タッグ

この試合ではビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の対象となったゴールに絡むシーンが2つあった。1つはスソのクロスにボナベントゥーラが反応しネットを揺らしたシーン。これはVARによりゴールを取り消されている。2つ目はCKのこぼれ球にリゴーニが反応し同点弾を挙げたシーン。これはVARによって認められた。2つのプレーのどちらもがリプレイを見ない限り判別不可能に近いレベルのプレーだった。しかし、VARによって正確なジャッジがくだされた。また、この試合でビデオ・オペレーション・ルーム(VOR)の責任者となっていたのがダニエレ・オルサート。VARの扱いに非常に長けたレフェリーだ。この試合でVARが運用されていなければミランが3-1で勝利していたかもしれない。