プレミアリーグ アーセナル

アーセナルは負傷者が多すぎる?長期離脱に陥った有望選手たち

アーセナルを22年間率いたアーセン・ベンゲル前監督は相手陣内で素晴らしいパスワークを繰り広げて、刺激的なフットボールを展開。世界的に誇る一つのブランドを確立させた。しかし、常に一つの懸念点が指摘され続けている。それは選手たちが「怪我しすぎ」なこと。長期間離脱する選手が多いことはクラブにとってネガティブな評判となった。

これは印象だけではない事実だ。アーセナルに所属した選手は12年間で889回も怪我を負っていると報告されている。同時期のマンチェスター・ユナイテッドは792回、チェルシーは620回、リバプールは551回と他クラブと比較しても群を抜いた数字である。

今季も開幕戦でエインズリー・メイトランド=ナイルズが左足を骨折。ナチョ・モンレアルやセアド・コラシナツも怪我で離脱中であり、左サイドバックの人材不足に陥ってしまった。

そこで今回は、『sportskeeda』が特集した「アーセナル所属時に怪我でキャリアを棒に振った選手たち」をご紹介したい。

トマーシュ・ロシツキー

アーセナルでもチェコ代表でもサポーターに愛されたトマーシュ・ロシツキー。アーセナルでは10年間の在籍でリーグ戦170試合に出場して19ゴールを記録した。相次ぐ怪我でフル稼働したシーズンはほぼゼロ。リーグ戦に最も多く出場したのは、2011/2012シーズンの28試合だ。創造的なプレーで多くのサポーターに愛された同選手だが、実働期間は極めて短かったと言える。

<主な怪我>
2007/2008シーズン
負傷内容:膝
離脱期間:434日

2009/2010シーズン
負傷内容:大腿部、鼠蹊(そけい)部
離脱期間:49日

2011/2012シーズン
負傷内容:アキレス腱の手術
離脱期間:158日

2012/2013シーズン
負傷内容:病気、ふくらはぎ
離脱期間:24日

2013/2014シーズン
負傷内容:膝
離脱期間:17日

2014/2015シーズン
負傷内容:ハムストリング
離脱期間:21日

2015/2016シーズン
負傷内容:膝の手術、筋肉
離脱期間:304日

アブー・ディアビ

アブー・ディアビは2006年1月13日のアーセナル加入後、42回も負傷してしまった。在籍3339日のうち、離脱期間は1554日。年に直せば在籍9年間のうち、約4年間離脱していることになる。大怪我のうちほとんどが傷害であり、不運の怪我が多いことも特徴だ。

<主な怪我>
2007/2008シーズン
負傷内容:背中、足首、脳震盪、太もも、臀部、膝
離脱期間:43日

2008/2009シーズン
負傷内容:鼠頸部、大腿部、腹筋
離脱期間:88日

2009/2010シーズン
負傷内容:ふくらはぎ、足首、鼠蹊部、膝、大腿部
離脱期間:21日

2011/2012シーズン
負傷内容:足首、ふくらはぎ、太もも、膝
離脱期間:262日

2012/2013シーズン
負傷内容:十字靭帯断裂、太もも、病気、筋肉
離脱期間:513日

2014/2015シーズン
負傷内容:ふくらはぎ、すね、鼠蹊部
離脱期間:299日

2015/2016シーズン
負傷内容:ふくらはぎ
離脱期間:197日

2016/2017シーズン
負傷内容:くるぶし、足首の手術
離脱期間:305日

サンティ・カソルラ

マラガから加入した最初のシーズン(2012/2013)はとても印象的なパフォーマンスであった。4年間で129試合に出場したが、怪我によってプレーする機会が減少してしまった。2015/2016シーズンに膝の問題で20試合を欠場してから怪我が増加。8回の外科手術を受け、足切断の危機まで直面した。2017/2018シーズン終了後にアーセナルを退団。怪我がなければ、もっと多くの活躍が期待できたはずだ。

<主な怪我>
2013/2014シーズン
負傷内容:くるぶし
離脱期間:35日

2015/2016シーズン
負傷内容:膝、アキレス腱の炎症
離脱期間:143日

2016/2017シーズン
負傷内容:くるぶし
離脱期間:618日

ジャック・ウィルシャー

現在26歳となったウィルシャーだが、若い時期に大きなポテンシャルを示した選手の一人であった。しかし、怪我のために期待通りの成長曲線は描けていない。16歳という若さで2008/2009シーズンにトップチームへ昇格。クラブ史上最年少でプレミアリーグデビューを果たした。負傷の問題が起きたのは2011/2012シーズン。翌シーズンまで持ち越す大怪我を負うと、のちに大小の怪我を負うことが増えてしまった。

<主な怪我>
2011/2012シーズン
負傷内容:疲労骨折、足首
離脱期間:412日(2012/2013シーズンまで持ちこし)

2012/2013シーズン
負傷内容:くるぶし
負傷期間:30日

2013/2014シーズン
負傷内容:足首
離脱期間:63日

2014/2015シーズン
負傷内容:くるぶし
離脱期間:126日

2015/2016シーズン
負傷内容:疲労骨折
離脱期間:247日間

2016/2017シーズン
負傷内容:膝の怪我 疲労骨折
離脱期間:85日間

ロビン・ファン・ペルシ

ロビン・ファン・ペルシのキャリアが短くなったのは負傷ではなくマンチェスター・ユナイテッドに移籍したからだと考えるアーセナルのサポーターが多いかもしれない。しかし、在籍当時を振り返ればクラブで最も負傷しがちな選手であったと思い出すはずだ。絶え間なく怪我している間、彼は「コンディションが良ければゴールを奪う」と合言葉のように使われた。194試合出場で96得点をあげているだけに数字を見てもそれは正しいかもしれない。

<主な怪我>
2007/2008シーズン
負傷内容:太もも、臀部
離脱期間:64日

2008/2009シーズン
負傷内容:太もも、くるぶし、外転筋、鼠蹊部
離脱期間:35日

2009/2010シーズン
負傷内容:足首
離脱期間:154日

2010/2011シーズン
負傷内容:くるぶし、膝
離脱期間:77日