セリエA ミラン

今季のミランはどうなる?18/19シーズンプレビュー

フィナンシャル・フェア・プレー違反により、ヨーロッパリーグの出場権取り消しの処分を受けそうになったミラン。しかし、中国資本に代わり経営権を握ったエリオット・マネジメントの手腕により処分を回避した。今回はそんなミランの2018/2019シーズンのプレビューをご紹介する。


昨シーズン

ビンツェンツォ・モンテッラ監督の下で始動した昨季のミラン。中国資本の豊富な資金力を武器に多くの補強を行い、数多くの有望な選手を獲得した。しかし、守備戦術を中心にミランは歯車がかみ合わず、EL出場権外をさまよう時期も。モンテッラ監督もシーズン途中に解任されている。ただ、後を継いだジェンナーロ・ガットゥーゾ監督が踏ん張り、課題だった守備を立て直しながら勝てるチームへと導いた。昨季の最終成績は6位とEL出場権を確保し、ELの舞台でもベスト16に進出している。


獲得した選手

ミランが今夏に獲得した選手はアレン・ハリロビッチ、ホセ・マヌエル・レイナ、イバン・ストリニッチ、マッティア・カルダラ、ゴンサロ・イグアイン、ティエムエ・バカヨコの6名。この他にもウルグアイ代表のディエゴ・ラクサールとサム・カスティジェホがメディカルチェックを行う段階に突入している。ELの出場が危ぶまれていたチームとしては出来過ぎな補強とも言えるだろう。

放出した選手

最もビッグな名前で言えばレオナルド・ボヌッチだろう。また、下部組織出身のルカ・アントネッリはエンポリへ移籍している。そのほかにはマヌエル・ロカテッリがサッスオーロへ、二コラ・カリニッチがアトレティコ・マドリードへ、そしてアンドレ・シウバがセビージャへ移籍している。また、退団の意思はあったものの、話し合いが進んでいなかったグスタボ・ゴメスもパルメイラスへ移籍した。獲得した選手とのバランスは良いだろう。ただ、昨夏に獲得した選手を3人放出している。


強み

今季のミランの強みは、昨季終盤に続き左サイドになるだろう。リカルド・ロドリゲス、ジャコモ・ボナベントゥーラ、ハカン・チャルハノールの連携はレベルが高く、クロス、カットインからのシュート、細かくつないでの崩しなどバリエーションも豊富だ。また、中央にイグアインという絶対的なフォワードがいることで、これまで以上に対戦相手は気を遣う必要が出てくる。右サイドにはスソが陣取っているので、両サイドからのクロスは昨季に続いて有効なはずだ。クトローネをジョーカーとして使えるのも大きい。

中盤で言えば、バカヨコの獲得は大きい。フランク・ケシエのバックアップとしてだけではなく、ストロングなMF2枚をスタートで使うというこれまでにはできなかった手札が増えた。ボナベントゥーラやチャルハノールなど、ケシエ以外にもバカヨコ加入の恩恵を受ける選手は多いはずだ。

最終ラインで言えば、ボヌッチと入れ替わる形のカルダラの存在が大きい。ディフェンスにアレッシオ・ロマニョーリ、カルダラ、復帰は10月以降になるとみられているが実質的に新加入のアンドレア・コンティ、GKにはジャンルイジ・ドンナルンマと将来のイタリア代表を背負って立つ人間が揃っている。


弱点

昨季に比べれば弱点は減ったが、依然としてサイドのディフェンスには不安が残る。リカルド・ロドリゲスの控えとして獲得したストリニッチへの信頼感はイマイチ。その証拠にラクサールというもう1人のLSBを獲得しようとしている、ただ、ラクサールも守備的な選手ではない。オーガナイズなどを工夫する必要があるだろう。

キーマン

キーマンは間違いなくイグアインになるだろう。ミランにはシーズン20得点を計算できるFWの存在が必要だった。彼がどの程度のペースでゴールを生み出すかで、シーズンの成績は大きく変わるだろう。

ポイント

開幕戦をジェノアと戦うミランだが、最初の鬼門は第2節のアウェイでのナポリ戦だろう。序盤のターニングポイントになるはずだ。ここに勝利し、ホームのローマ戦でも引き分け以上に持ち込むことができれば、自信にもつながり、CL出場圏内も夢ではないだろう。ガットゥーゾ監督就任からの勝ち点ではユベントス、ナポリに次いで3位だったミラン。期待しても良いチーム状態だと思っていいはずだ。


名前:菊池大将
趣味:サッカー観戦、映画鑑賞、読書
好きなチーム:ACミラン
幼少期に父親の影響でミランが好きになりました。アイドルはシェフチェンコ。パッション、データ、経済、カルチャー、サッカーの持つ様々な表情を見るのが好きです。よろしくお願い致します!

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