セリエA コッパ・イタリア

ローマの地で相対するユベントスの“哲学”とガットゥーゾの“闘志”

著者:津田翔汰

 ユベントスのスクデット7連覇でカンピオナートを巡る争いに“事実上”終止符が打たれた今、人々の視線はもちろんリーグテーブルの下に向けられるものの、もう1つ忘れてはならない“タイトル”がある。それは、イタリアの首都・ローマを舞台に繰り広げられるコッパ・イタリアのことを指す。ティフォージが過去にも数々の“激闘”を間の当たりにしてきたこの国内カップ戦だが、今季は前人未到の4連覇、さらに言うと4シーズン連続となる国内2冠を狙うユベントスに、欧州復帰へ名門再建を託された“闘将”ジェンナーロ・ガットゥーゾ率いるミランが挑む構図となっている。

 カルチョ界における時代の変遷(へんせん)に関わらず常にライバルとしてタイトルの数を競ってきたこの両クラブではあるが、コッパ・イタリアに限り比較してみると、ユベントスが12回であるのに対しミランは半分以下の5回であることに加え、その大半が1960年代から70年代にかけてのものであり、近年はこのタイトルと縁が無いのかもしれない。

 なおユベントスとミランは2015/2016シーズンにも決勝で相見えており、途中出場のスペイン代表FWアルバロ・モラタの鮮烈なダイレクトボレー弾により、ユベントスがウノゼロ(1-0)でミランを下し頂点に上り詰めている。果たして今季のコッパ・イタリアはどのような要素に注目が集まるのだろうか。ここでは両クラブのここまでの戦いぶりを振り返る。

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