プレミアリーグ チェルシー

元イングランド代表ランパード氏、チェルシーの昨シーズン優勝を記念し来日。数多くの秘話と溢れ出る人間としての魅力

ポール・マデン駐日英国大使と対談を行ったフランク・ランパード氏 写真提供:Chelsea FC

 1つがこれまでに指導を受けた監督の中で誰が1番成長のきっかけになったか。また、監督の中で指導を受けてみたかった人物は誰かという質問だ。ランパード氏は現在、マンチェスターユナイテッドで指揮を執るジョゼ・モウリーニョ氏の名前を挙げた「彼はプレー面でも精神的な部分でも私を1つ上のレベルに引き上げてくれた。彼との出会いによりサッカー人生がかわったね」と語っている。また、後述の質問にはアレックス・ファーガソン氏の名前を挙げている「彼の行うトレーニングは厳しく、選手たちに熱心に取り組ませる。これは僕の考えと似ていて、彼の本を読んだり、講演会を聞きに行ったりしているよ」と明かした。

 2つ目の質問はキャプテンとしての資質についてだ。イングランド代表、チェルシーでキャプテンを務めたランパード氏はこう答えている「1つ目に人格だ。選手をまとめ上げる能力があるのかということ。2つ目に行動で示すことだ。チームメイトに姿勢で訴えかけることが大事だ。3つ目に謙虚さだ、わがままなプレーやエゴの強いプレーをしてはならない」彼の人格が象徴されたようなコメントだ。

 3つ目がPKを成功させるコツは何か?という質問だ。これはフェイスブックでファンから募集した質問で、高いPK成功率を誇るランパード氏は「練習が必要なのはもちろんだ。だが私は、どこのコースに蹴るかを当日の朝に決める。1度決めたコースは絶対に変えちゃいけないんだ。変えれば悲惨な結果が待っているよ」とPKを成功させる秘訣を明かしている。

 4つ目は来年6月に2018年ロシアW杯を控えた日本代表についてだ。ランパード氏はアドバイスとして「チームのスピリットを上げることが重要だ。何をしてでも勝ってやるんだという強い欲を持つことで、上位を狙える」と答えている。日本代表にとって大きな励みとなるだろう。

 5つ目はチェルシーに日本人選手を1人補強するとしたら誰を補強するかという質問だ。Jリーグについてはあまり詳しくないと前置きしたランパード氏が挙げたのはレスター・シティで活躍するFW岡崎慎司だった。同選手の優れている点について「ハードワーク、得点能力に加え彼の笑顔は素晴らしい。チームの雰囲気を変えることの出来る選手だ」と語った。また、「日本の若手選手についてもっと勉強する」と日本人選手に注目していることも明かしている。

 一通りのインタビューが終わり、記者が参加できるのはここまでとなった。最後に写真撮影やサインに応じていたランパード氏。まったく嫌がるそぶりも見せず、笑顔で対応する姿にとても好印象を受けた。英国大使館職員や記者と笑顔で言葉を交わすランパード氏からは優しさ、魅力、知性が溢れ出ていた。

取材/文:菊池大将

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名前:菊池大将
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