プレミアリーグ エバートン

ルーニーがエバートンに復帰した本当の理由。敬意を奪われた伝説の未来

ルーニーがエバートンに復帰した本当の理由

著者:ニール・ハンフリーズ
シンガポールのベストセラー著者の一人。小説4作品を執筆し「プレミアリーチ(2011)」は英メディア「FourFourTwo」の2012年の英国年間最優秀フットボール小説賞を受賞した。テレビ番組での脚本やホストも務め、シンガポール、マレーシア、オーストラリア、英国といった国々でも幅広く活躍している。

 ウェイン・ルーニーは顔を上げて前進し、GKの位置を確認し、ゴールから40ヤードも離れた位置からシュートを放った。彼はゴールネットを突き破るかのような、とてつもないシュートを決めたのだ。古巣エバートンへの復帰を果たし、復帰戦わずか35分での得点だった。

 タンザニア遠征中にケニアのゴア・マヒアとの練習試合でルーニーが決めた復帰後の最初の得点は、2002年に当時16歳ながらもアーセナル戦でデビッド・シーマンからゴールを奪ったシーンを彷彿させるものだった。16歳の少年は今31歳となったが、エバートンへの熱い気持ちは変わらない。彼は再び幸せそうな表情を浮かべている。そう、ルーニーは彼の「家」に戻ってきたのだ。

 イングランド・フットボール界はルーニーにもっと敬意を払うべきだ。何年もの間、彼はそれ相応のリスペクトを受けてこなかった。故郷でもあるエバートンに戻った今、ルーニーが人々から尊敬されることを願うばかりである。

 近年、マンチェスター・ユナイテッドでは「年を取りすぎた」「遅すぎる」「欲深い」「太りすぎ」「だらしない」といった言葉がルーニーには向けられていた。こうした批判は他のクラブのサポーターたちから聞かれたり、ユナイテッドと関連づけられたりしたものではなく、ユナイテッドのサポーターから出てきたものである。オールド・トラッフォードはルーニーを受け入れてはいたが、彼が本当の意味で愛されることはなかった。結果的に、本来の彼のフットボール、功績、得点、名誉がリスペクトされることは一度たりともなかった。それだけに、ルーニーが古巣エバートンで偉大な選手の1人だという評価を受けることを願っている。

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