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Jを席巻するC大阪の“リアクションサッカー”。世界的な堅守速攻の波が日本にも押し寄せるか

Jを席巻するC大阪の“リアクションサッカー”

著者:チアゴ・ボンテンポ

 最近、攻撃の視点からはいわゆる魅力的なサッカーをしなくても、良い結果を出しているチームがいくつかある。ボール支配率の代わりに守備構成が優先され、セットプレーに強く、カウンターアタックを武器とする。リアクションサッカーと呼ばれるスタイルだ。対戦相手の行動に応じてリアクションすることが名前の由来だ。

 鹿島アントラーズは昨年末に素晴らしいリアクションサッカーを披露した。Jリーグタイトルを獲得した素晴らしい決勝戦と、同様に印象的なFIFAクラブワールドカップでの健闘だ。

 現在、セレッソ大阪のリアクションサッカーが注目を集めている。2連勝目を挙げて8試合連続無敗に記録を伸ばし、Jリーグトップの座を取り戻した。キンチョウスタジアムで行われたホーム試合での貴重な勝利では、ボール支配率はわずか35%だった。

 C大阪の対戦相手だった柏レイソルも同じような特性を持っているが、ボールを保持し忍耐強くパスを続ける傾向がある。試合は柏が支配していた。こう着状態をカウンターで破りリードを広げるチャンスもあったが、GKキム・ジンヒョンとポストに止められる。後半、C大阪が典型的な方法で試合を巻き返した。コーナーからのゴールと、クロスからのゴールだ。

 ユン・ジョンファン監督率いるC大阪は、今季クロスからのゴールを8回決めている。これを上回るのは川崎フロンターレの9回のみだ。セットプレーにおいては、許した得点数が最低(3失点)で、決めた得点数が最高(14得点)である。また、『FOOTBALL LAB』のデータによれば、今季の平均ボール支配率は48%となっている。

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