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ベン・メイブリーの16/17プレミア総括! コンテ・チェルシーが与えた“革命的な影響”

ベン・メイブリーの16/17プレミア総括

著者:ベン・メイブリー
故郷はイングランド、ハートは大阪。1983年英国・サマセット生まれ。「オックスフォード卒でこんなアホおるん?」と言われるほど、2003年留学時代から熱狂的なガンバ大阪サポーター。英国のサッカー季刊誌「The Blizzard」をはじめライターとして活躍し、「GOAL JAPAN」にて『ベン・メイブリーの英国談義』と『ベン・メイブリーの黒板』を連載中。コメンテーターを務めるJ SPORTS『Foot! TUESDAY』での、本物の黒板を使ってプレミアリーグを分析するスタイルが評判を呼んでいる。ツイッターは@BenMabley

 プレミアリーグ2016/2017シーズンは”新時代の幕開け”となった。これまでになく多くの監督陣が大きな注目を集めてきた。

 シーズン開始時、注目された古株としてはアーセン・ベンゲル監督がアーセナルに就任して20年目を迎えた。新風を期待されて迎えられたのは、ジョゼップ・グアルディオラ監督(マンチェスター・シティ)とアントニオ・コンテ監督(チェルシー)だ。就任2年目のユルゲン・クロップ監督(リバプール)はアンフィールドでの初めてのフルシーズンに乗り出し、ジョゼ・モウリーニョ監督(マンチェスター・ユナイテッド)はチェルシーでの務めを終えてマンチェスターでのクラシコ関連を刷新するとされた。エリートの肩書を主張するマウリシオ・ポチェッティーノ監督(トッテナム・ホットスパー)は、トッテナムのタイトルというさらなる功績を目指す。これら新時代への設定を考えると、12カ月前の前クラウディオ・ラニエリ監督(レスター・シティ)の偉業後に、どんなことでも起こり得た。

 ふたを開けると、未来なのか過去なのかわからない事態となった。シティは才能あるグアルディオラ監督のもと、エキサイティングな連勝で出発点から飛び出すも、秋には剥がれ落ちて春の決勝戦を描けなくなる。前マヌエル・ペレグリーニ監督による前年の悪夢のようだ。ユナイテッドはシーズン終了までモウリーニョ監督が吉となるか凶となるかわからなかった。レスターもまた”ドッペルゲンガー”のようで、前ラニエリ監督のもとで残留争いから一転してチャンピオンズリーグでは英国旗を掲げるも、クレイグ・シェークスピア監督がすべてをロッジから指揮していた疑いを残すこととなった。アーセナルの”デジャヴュ”もこの言葉の意味通りで、9月のチェルシー戦での3-0の勝利(プレミア&チャンピオンズリーグ20試合無敗の6試合目)が、間違いなくリーグ全体でのターニングポイントとなった。

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