アジア AFCチャンピオンズリーグ

J勢のアジアでの現在地。川崎Fの底力見せるも、浦和&鹿島は不甲斐なさ目立つ

著者:チアゴ・ボンテンポ

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)に挑むJリーグの本命2クラブは、決勝トーナメント1回戦1stレグでビハインドを負う結果となった。昨季のJリーグ王者である鹿島アントラーズは中国王者の広州恒大淘宝足球倶楽部とアウェイ広州で対戦し、1-0で敗れた。また、浦和レッズもまた、現在Kリーグで首位に立つ済州ユナイテッドにアウェイで2-0と敗れている。

 鹿島、浦和ともに2ndレグで最善を尽くせば逆転するチャンスが残されている。しかし、問題は1stレグで彼らの「最善」がみられなかったことだ。一方で、最も印象的な戦いをみせたのは劣勢とみられていた川崎フロンターレである。アウェイでムアントン・ユナイテッドを3-1で下してタイから戻った。

 浦和は自らのプレースタイルが仇となった。DF遠藤航とMF阿部勇樹を除く、ほぼ全員が相手ピッチで同時に攻撃をしかけることで守備陣はカウンターによる反撃を浴びることとなった。浦和の前掛かりな姿勢を利用して済州は試合序盤に先制ゴールを決め、終盤に追加点を決めて試合を決定づけた。さらに3点目を奪うゴールチャンスも多々作り出している。ミハイロ・ペトロビッチ監督の攻撃姿勢はたしかに素晴らしく、これまでたくさんのゴールで魅了する試合を繰り広げてきた。しかし、負傷したFWラファエル・ダ・シルバに代わって先発したFWズラタン・リュビヤンキッチがチャンスを無駄にする余裕はもうない。さらに2人のセンターバック森脇良太と槙野智章が攻撃するなか、センターバック1人と守備的ミッドフィルダーのみが守る守備戦術は自殺行為だ。MF柏木陽介、MF関根貴大、FW武藤雄樹らによって浦和は動きを支配するも、最終的に生み出せたものはなかった。90分間で73.9%のボール支配率も最終的にはなにも意味しなかった。

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