【日本代表】欧州遠征の狙いを語るブルーノ監督「強豪国との対戦によってのみ、自分たちの現在地がわかる」

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日本代表は21日から欧州遠征に出発する。遠征期間中には、ドイツ代表と2試合(1試合は一般非公開)とポルトガル代表と2試合を行う。ブルーノ・ガルシア監督は17日に記者会見を行い、今回の遠征の意図、そして招集した日本代表メンバーの狙いなどについて語った。

以下、記者会見でのブルーノ・ガルシア日本代表監督のコメント
ブルーノ コンニチハ。お集まりいただきありがとうございます。フットサル日本代表はヨーロッパ遠征をおこないます。そのスケジュールとメンバーを発表させていただきました。16名のリストになっていますが、日本から旅立つのは14名。清水和也と逸見勝利ラファエルはヨーロッパのクラブに参加しているため、FIFAデイズのみの参加になります。

日本から発つ14名のうち12名が前回のイラン遠征と同じメンバーになります。新しく加わったのはバサジィ大分の森村孝志とヴォスクオーレ仙台の堀内迪弥です。堀内は負傷した森岡薫に代わって入っている状況です。リストを見てポジション、構成人数、いろいろ見てもらうと気づくかもしれませんが、このリストは9クラブから選手を派遣していただく形になっています。Fリーグから7クラブ、そして海外のベンフィカ(ポルトガル)とエルポソ・ムルシア(スペイン)の2クラブですね。

今回、訪れるドイツとポルトガルはサッカーでも有名な国ですが、フットサルでも有名です。特に2カ国を訪れますが、今回の遠征の中心はFIFAデイズに行われるポルトガルとの試合です。ドイツとの試合は欧州を訪れる機会を生かしたかったこと、またこれまでも「ぜひ、試合をしましょう」と声をかけていただいていたので、試合をすることになりました。ドイツというのは、眠れる獅子であり、フットサルにおいて非常に大きなポテンシャルを持った国です。ドイツは、FIFAデイズ期間外での試合になります。サッカーの世界では非常に力があり、有名です。イングランドと並び、フットサルでも近年、力を入れ始めており、強化をしようとしています。チームの特徴としては、大きな体格をいかし、個人の技術の高い選手をそろえているという情報があります。

ポルトガルは2016年にコロンビアで開催されたW杯でも4位になり、最近の欧州選手権ではスペインに勝利して初めてヨーロッパチャンピオンになりました。明らかに世界トップレベルの国です。ポルトガルには、日本のFリーグでもプレーしたFPリカルジーニョというビッグスターがいます。彼をはじめ、非常にタレントは豊富です。リカルジーニョはいまや世界で最も多くのタイトルを獲得しているインテル・モビスタに所属していますが、彼もそこからポルトガル代表に合流する予定です。そこでポルトガルとの対戦を核としながらも2つのチームと、高い要求レベルを突きつけるゲームを体験する。それによって、今進んでいる強化をさらに促し、さらに強くなろうと考えています。ドイツとポルトガルは全く違うスタイルの相手ですが、そういう相手をどう攻略していくかが、私たちの強化のポイントとなります。

これまでも言い続けていますが、ウルグアイ代表と対戦したサッカー日本代表のように、強豪国と対戦することによってのみ、自分たちのおかれたポジションがわかります。自分たちがどういう状況にあり、どうなっていかなければいけないかが図ることができます。今回の遠征もそういう位置づけで、強豪国と試合を組ませてもらいました。

今回の海外遠征は、国際遠征としては年内最後の活動になります。9月にはイランで4カ国親善大会を行いましたが、そのときにも大きな収穫がありました。今回もこの遠征を最大有効活用して、強化ができればなと思っています。

――清水和也が欧州に移籍してから初めて合流しますが、彼のパフォーマンスをどう見ていて、合流後に何を期待しますか?
ブルーノ リストに入っている選手たちの情報は、いろいろな方法で集めています。毎試合、試合の動画を見ることは確実にやっていますし、クラブの強化スタッフと連絡をとり、状態を聞いています。今回、清水選手はセカンドチームにいますので、セカンドチームのテクニカルスタッフと連絡を取り、日々情報収集しています。非常に良い状態だと認識しています。また、ここ1年半、彼をずっと見てきて、一緒に仕事もしていますが、間違いなく日本のフットサル界を代表する選手。世界的な看板になる選手です。そういう立場にいますから、今回もそういう自覚を持ち、それに適ったパフォーマンスを期待します。このまま成長している路線を進んでいってほしいと思います。

――代表経験の豊富な選手がイラン遠征に続き選ばれていますが、チームの強化はどのような段階でしょうか。20代前半の選手は入れないのでしょうか?
ブルーノ 短期、中期、長期のプロジェクトという見方で活動をしています。新しく代表選手として入ってきてもらう、定着してもらうためには3つのプロセスを考えています。まずは国内キャンプに参加してもらう。そのあと、海外遠征などで国際経験を積んでもらう。そして最後に公式な大会に出てもらうことです。そうしたプロセスを踏んでもらっています。活動するときには、選手の参加の仕方がどのフェイズで参加してもらうかが、それぞれの選手にあります。2年前にさかのぼると、23歳から25歳の年代の強化が進んでいませんでした。しかし今はその年代の選手も徐々に出てきています。代表チームの中でも、その年代の選手が非常に重要な役割を果たし、軸となりつつある選手が出てきました。昨年のアジアインドアゲームズで活動した選手が、国内キャンプ、国際経験を経て、A代表の中軸になる選手になってきている背景もあります。アンダー20の年代の選手たちに国内キャンプに参加してもらいながら、少しずつ海外のチームとの試合経験を得るような段階に来ています。そういう招集のプロセスで動いていますが、はっきりとした形で、この年齢の選手が、この段階にある、この段階にあると示すのは、短い期間では難しいことです。何年間かかけながら、代表に定着していく選手が育っていることをやり続ける必要があると感じています。

このことは平均して、Fリーグの各クラブの平均年齢が下がっていくプロセスと合わさっていかなければ、なかなか達成は難しいと考えています。今は年齢層が高いクラブが多いと認識しています。

今回の欧州遠征メンバーは下記記事から
【日本代表】欧州遠征でドイツ代表、ポルトガル代表と対戦へ! F得点ランク首位の仙台FP堀内迪弥が招集! FP清水和也も欧州移籍後初招集!ら