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いまやJワースト?スタジアムを飛び出した横浜FCサポーターの悪行を考察

サポーター 写真:Getty Images

明治安田J1リーグの横浜FCは3月9日、横浜FCサポーターの違反行為に対し、入場禁止処分を発表した。2月26日に開催されたJ1第3節横浜F・マリノス対横浜FC(日産スタジアム/0-0)において、新横浜駅構内および新横浜駅から日産スタジアムまでの道中、日産スタジアム内において、横浜FMを侮辱する内容のステッカーを貼るという違反行為があったという。

当該者2人には「横浜FC、ニッパツ横浜FCシーガルズ、横浜FCアカデミーが出場する全公式戦への無期限入場禁止処分」が課され、また2人が所属するサポーター団体の代表2人には「3月15日セレッソ大阪戦(ニッパツ三ツ沢球技場)までに行われる横浜FC、ニッパツ横浜FCシーガルズ、横浜FCアカデミーが出場する全公式戦への入場禁止処分」が課された。

今回の事件はスタジアム内のみならず、日産スタジアムがある新横浜の街を巻き込んで行われた事案で、刑法第261条に基づく「器物損壊罪」、および軽犯罪法第1条第27号「軽犯罪法違反」、さらには神奈川県迷惑防止条例違反に当たる「犯罪」だ。

ステッカーを貼った場所がビルの壁であればその所有者から、電柱であれば電力会社から刑事告訴や損害賠償請求されてもおかしくはなく、本来であればそうすべきなのだ。スタジアム内で起きたイザコザとは次元が違う話といえるだろう。

ここでは問題になっている横浜FCサポーターの行為について、まとめてみよう。


ユアテックスタジアム仙台 写真:Getty Images

横浜FCで繰り返される処分と注意喚起

昨2024シーズン、10月19日に開催されたJ2リーグ第35節ベガルタ仙台戦(ユアテックスタジアム仙台/0-3)において、横浜FCサポーターが警備員に中指を立て侮辱したとして、当該者1人に約1か月の「横浜FC、ニッパツ横浜FCシーガルズ、アカデミーが出場する全公式戦への入場禁止処分」が下された。

そしてクラブはテンプレートでもあるかのように、3月9日と全く同じ文言でルールの徹底を求めた。

横浜FC公式サイトで「今回のような行為は、フェアプレーの精神からも逸脱し、クラブの存在価値そのものを脅かすものであり、いかなる理由があっても認められるものではありません」とし、「ファン・サポーターの皆さまは改めて、観戦における禁止行為についてご確認いただき、ルールを遵守いただきますよう、ご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます」と記している。

2023シーズンにも、5月3日に開催されたJ1リーグ第11節アルビレックス新潟戦(ニッパツ三ツ沢球技場/1-0)で横浜FCサポーターが暴走。ゴール裏席を離れ、審判団にブーイングした挙げ句、仲裁に入ったメンバーを暴行し負傷させた。

その処分内容もまたまた「横浜FC、ニッパツ横浜FCシーガルズが出場する全公式戦への無期限入場禁止処分」で、上記と全く同じ文言で注意喚起を促している。

クラブ側も“年中行事”となったサポーターの暴走に慣れ切ってしまい、判で押したかのような処分内容と注意喚起を繰り返すだけで、根絶する意思は全く感じられない。これに甘えているサポーターが再び暴走するというサイクルが常套化し、毎年、不祥事を起こしている。

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名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ、現在のお気に入りはシャビ・アロンソ率いるバイヤー・レバークーゼン

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

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