
東北開催でも回避できない酷暑
筆者はこの中で、J3の福島ユナイテッド対カマタマーレ讃岐戦を現地観戦した。雨が直前まで降り、試合開始時には上がったことは幸いだったが、今度は蒸し風呂のようなまとわりつく暑さで、ぬかるんだピッチも相まって、選手にとっては、体力的にかなりハードだったことは想像に難くない。
もちろん、動員が期待できる夏休みやお盆という“ドル箱”を捨てられない事情も理解できる。それでも「選手ファースト」という観点では真逆を行く8月2週目の開幕には疑問を挟まざるを得ない。
欧州5大リーグの2026/27シーズンにおいて、ラ・リーガは8月3週目、プレミアリーグとセリエA、リーグ・アンが8月4週目、長いウインターブレークを取るブンデスリーガ1部ですら8月5週目の開幕だ。Jリーグと同様に8月2週目に開幕した欧州リーグはエールディビジ(オランダ)、ポルトガル、ベルギーといったところ。ただし、スコットランドはさらに早い8月1週目の開幕だった。いずれも比較的、猛暑にはならない地域ではあるのだが、今年は欧州も酷暑だと報じられている。
しかしながら、日本の湿度を伴う暑さとは質も異なる。8月3日の練習中に熱中症で倒れたラグビー・リーグワン2部「九州電力キューデンヴォルテクス」のフィジー出身のサイモニ・ヴニランギ選手は、治療の甲斐なく8月7日に亡くなった(享年26歳)。当時の気温は35℃前後だったというが、平均気温が約26℃~31℃(出典:フィジー政府観光局)の母国と比較しても、その暑さの異常さが分かる。
Jリーグ最終節の日程を見ると、J1では6月6日、J2とJ3は5月23日(その後に昇格プレーオフ)となっている。参考までに、2026年6月6日の東京地方の最高気温・平均湿度を見てみると、24.7℃・76%を記録。これでは秋春制ではなく、“夏夏制”とは言えないだろうか。
ウインターブレークに加えて、ルヴァン杯、天皇杯も戦い、強豪チームはACLE(AFCチャンピオンズリーグエリート)、ACL2(AFCチャンピオンズリーグ2)、さらに国際Aマッチデーもあることで、日程的には初期設定から“詰め詰め”だ。カップ戦で勝ち進むほど、過密日程は避けられない。
Jの各カテゴリー“2チーム減”は受け入れられるか
この“夏夏制”を改善するとしたら、ドイツ、オランダ、ベルギーに倣って18チームに減らすしかないようにも思えてくる。それだけで4節分が削減できるからだ。
さらに、これらの国の多くにはリーグカップ(日本で言うところのルヴァン杯に相当する大会)が存在しない。(ただし例外もあり、スコットランドには「スコティッシュリーグカップ」が、ポルトガルには「タッサ・ダ・リーガ」がそれぞれ開催されている。)
Jリーグが20チーム制のまま3つ以上のコンペティションを消化するとしたら、年末年始にFAカップとカラバオカップ(リーグカップ)の日程も組み込んだ「中2~3日」の連戦となるプレミアリーグのような日程を強いられることになる。
クラブ数減には当然ながら反対の声も上がるだろう。それでも「選手の命」を尊重するならば、ある程度の犠牲を払わなければならない。前述したラグビー選手の例を出すまでもなく、死者が出てからでは遅いと思うのだ。
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