Jリーグ

Jリーグ秋春制は「夏夏制」?猛暑続出の開幕節、解決策はクラブ数減か

Jリーグ 写真:アフロスポーツ

8月7日、秋春制初年度となる2026/27シーズンのJリーグが開幕し、国立競技場(MUFGスタジアム)で行われた横浜F・マリノス対鹿島アントラーズ戦にはJリーグ史上最多の6万3,960人が来場した。

試合はこの日がJリーグデビュー戦となった横浜FMの16歳MF三井寺眞が、前半7分にクラブ史上最年少(J1史上2位)となる先制点を決め、優位に試合を進めていたが、後半16分、三井寺が足をつって担架で運び出され交代。続いて、横浜FMの選手が次々と足をつる事態が発生する。後半32分時点で、新任の横浜FMスティーブ・コリカ監督は交代枠を使い切ってしまっていたため、DF井上太聖、DF諏訪間幸成らは、ほぼ走ることのできないままプレーを続けざるを得なくなった。その結果、後半36分に鹿島FWレオ・セアラ、後半54分、後半57分に鹿島FWチャヴリッチの得点を許し、大逆転負けを喫した(3-4)。

リーグ戦としては24年ぶりに民放地上波(フジテレビ系)で生中継され、注目を集めていたが、ゴールシーンの多さよりも、“ガス欠”を起こす選手の多さが気になった視聴者も多かったはずだ。

翌日、J1水戸ホーリーホックの樹森大介監督も、柏レイソルに敗れた(1-2/三協フロンテア柏スタジアム)試合後の会見で、「90分もたない選手が多く、必要以上の交代はちょっと難しいなというところもあった」と、2点ビハインドで迎えたハーフタイムでの選手交代を躊躇した理由を明かした。敵は相手イレブンだけでなく天候でもあるという実情を示したと言えよう。

Jリーグが秋春制を採用した理由の中には「酷暑での試合を避けられることで、試合の質を上げる」といったものもあったと記憶しているが、開幕節だけを見れば、思惑からは外れたという指摘がなされても致し方無いだろう。ここでは、2026/27シーズン開幕節で記録された猛暑・多湿の実態を示すデータと現地観戦記をもとに、秋春制移行後も残る「暑さ問題」を検証する。


サンフレッチェ広島 写真:アフロスポーツ

2026/27シーズン開幕節全29試合の気温・湿度データ

J1第1節

  • 8月7日19:26 横浜FM 3-4 鹿島(MUFGスタジアム)29.4℃・72%
  • 8月7日19:33 G大阪 4-3 浦和(パナソニックスタジアム吹田)31.4℃・51%
  • 8月8日19:00 柏 2-1 水戸(三協フロンテア柏スタジアム)28.8℃・73%
  • 8月8日19:00 FC東京 1-5 町田(味の素スタジアム)29.7℃・76%
  • 8月8日19:00 名古屋 0-1 清水(豊田スタジアム)28.9℃・63%
  • 8月8日19:00 C大阪 2-1 岡山(ヤンマーハナサカスタジアム)29.9℃・70%
  • 8月8日19:00 福岡 0-1 神戸(ベスト電器スタジアム)30.8℃・58%
  • 8月8日19:20 広島 3-0 千葉(エディオンピースウイング広島)32.1℃・62%
  • 8月9日18:00 東京V 1-1 川崎F(味の素スタジアム)30.0℃ 69%
  • 8月9日19:00 長崎 2-1 京都(PEACE STADIUM Connected by SoftBank)28.6℃・62%

J2第1節

  • 8月8日14:50 札幌 2-0 徳島(大和ハウスプレミストドーム=屋内)23.9℃・71%
  • 8月8日18:00 八戸 2-0 富山(プライフーズスタジアム)25.4℃・89%
  • 8月8日18:30 藤枝 2-0 仙台(藤枝総合運動公園サッカー場)28.6℃・66%
  • 8月8日19:00 大宮 1-0 新潟(NACK5スタジアム大宮)29.2℃・69%
  • 8月8日19:00 磐田 1-1 秋田(ヤマハスタジアム)28.6℃・81%
  • 8月8日19:00 大分 0-1 湘南(クラサスドーム大分)28.9℃・65%
  • 8月8日19:00 宮崎 0-1 横浜FC(いちご宮崎新富サッカー場)27.8℃・81%
  • 8月8日19:30 鳥栖 2-0 甲府(駅前不動産スタジアム)30.3℃・59%
  • 8月9日18:00 いわき 2-1 今治(ハワイアンズスタジアムいわき)26.0℃・86%
  • 8月9日19:00 山形 2-0 栃木C(NDソフトスタジアム山形)25.2℃・70%

J3第1節

  • 8月8日18:00 相模原 0-0 熊本(相模原ギオンスタジアム)27.4℃・87%
  • 8月8日18:00 長野 1-0 山口(長野Uスタジアム)27.0℃・77%
  • 8月8日19:00 鳥取 1-1 FC大阪(Axisバードスタジアム)29.6℃・74%
  • 8月8日19:00 高知 0-0 松本(GIKENスタジアム)27.8℃・73%
  • 8月8日19:00 鹿児島 1-0 群馬(白波スタジアム)27.2℃・88%
  • 8月9日18:00 福島 1-2 讃岐(とうほう・みんなのスタジアム)25.2℃・90%
  • 8月9日18:30 滋賀 0-3 岐阜(平和堂HATOスタジアム)29.7℃・77%
  • 8月9日19:00 栃木SC 3-2 金沢(カンセキスタジアムとちぎ)24.4℃・90%
  • 8月9日19:00 愛媛 4-1 奈良(ニンジニアスタジアム)27.5℃・78%
  • ※琉球vs北九州は台風13号の影響で中止。9月9日に代替開催

気温が高かった試合 上位10試合

  1. J1 広島vs千葉 32.1℃ 62%
  2. J1 G大阪vs浦和 31.4℃ 51%
  3. J1 福岡vs神戸 30.8℃ 58%
  4. J2 鳥栖vs甲府 30.3℃ 59%
  5. J1 東京Vvs川崎F 30.0℃ 69%
  6. J1 C大阪vs岡山 29.9℃ 70%
  7. J3 鳥取vsFC大阪 29.6℃ 74%
  8. J3 滋賀vs岐阜 29.7℃ 77%
  9. J1 FC東京vs町田 29.7℃ 76%
  10. J2 大宮vs新潟 29.2℃ 69%

湿度が高かった試合 上位10試合

  1. J3 福島vs讃岐 25.2℃ 90%
  2. J3 栃木SCvs金沢 24.4℃ 90%
  3. J2 八戸vs富山 25.4℃ 89%
  4. J3 鹿児島vs群馬 27.2℃ 88%
  5. J3 相模原vs熊本 27.4℃ 87%
  6. J2 いわきvs今治 26.0℃ 86%
  7. J2 磐田vs秋田 28.6℃ 81%
  8. J2 宮崎vs横浜FC 27.8℃ 81%
  9. J3 愛媛vs奈良 27.5℃ 78%
  10. J1 FC東京vs町田 29.7℃ 76%

開幕節はJ1からJ3の全カテゴリーで47万6,112人を動員し、1節あたりの最多入場者数記録を更新した。

Previous
ページ 1 / 2

名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

筆者記事一覧