
2025/26シーズン、アーセナルは勝ち点85を獲得して22年ぶりのプレミアリーグ優勝を遂げ、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)でも準優勝を果たした。一見すれば、指揮官ミケル・アルテタ監督の手腕が結実した黄金期の到来に見える。しかしその裏で、これほどファンやメディアから批判を浴びた戴冠クラブが過去にあっただろうか。
かつてアーセン・ベンゲル監督が築いた流麗なアタッキング・フットボールや、ペップ・グアルディオラ監督が体現する洗練されたポゼッションはここにはない。現在のアーセナルが選択したのは、姑息な時間稼ぎ、灰色領域でのルール操作、そして徹底したセットプレー依存という「アンチ・フットボール(ハラムボール)」である。
アルテタ監督は本当に「名将」なのか。実態はあまりにも過大評価されている。彼が真の名将の列に加わることができない理由、そしてアーセナルがマンチェスター・シティやリバプールといった真の王者の品格に追いつけない理由を、ピッチ内外の動かぬ証拠から紐解いていく。

オリジナリティの欠如
アルテタ監督に最も欠落しているのが「戦術的オリジナリティ」である。彼は選手引退後、シティでグアルディオラ監督のアシスタントを務めた。その後、アーセナルの監督に就任したが、その戦術はシティのスタイルをそのまま持ち込んだ「デッドコピー」に過ぎなかった。
さらに、組織強化プロセスも「他力本願」に他ならない。シティからMFオレクサンドル・ジンチェンコやFWガブリエウ・ジェズスを引き抜き、ライバルであるチェルシーからはFWカイ・ハフェルツやMFジョルジーニョといった完成されたタレントを獲得した。これは自チームの育成成果ではなく、ライバルの戦力を削ぎ落としつつ、即戦力を並べる安易な手法である。元リバプールのスローイン専門コーチであるトーマス・グロンネマーク氏の招聘も、その主体性のなさを露呈している。
真のイノベーションを起こし、自らの哲学を貫いたグアルディオラ監督やユルゲン・クロップ監督に対し、アルテタ監督は常に「誰かのスピンオフ」だ。このオリジナリティの欠如こそ、彼らがシティやリバプールといった巨頭を超えられない決定的な要因である。

ルールの隙を突く「時間稼ぎ」の実態
アルテタ監督の「ポゼッションフットボールの正統後継者」という仮面は剥がれ落ちた。ピッチ上での彼らは、勝利のためにフットボールの魅力を生贄に捧げる「ダークアーツ(黒魔術)」の使い手だ。
その最たる証拠が、常軌を逸した「時間稼ぎ」である。『Opta』が明らかにしたブライトン・アンド・ホーブ・アルビオン戦のデータによれば、アーセナルはスローイン、ゴールキック、フリーキック、コーナーキックといったリスタートに、累計で「30分51秒」もの時間を費やした。試合の実に3分の1が、意図的な遅延行為に消えたのだ。MFデクラン・ライスがフリーキックで最大69秒をかけ、コーナーキックには平均44.5秒を消費する。
ブライトンのファビアン・ヒュルツェラー監督は「フットボールをプレーしようとしていたのは片方のチームだけ。あのような手法で勝利を収めようとする監督には絶対になりたくない」と激怒した。また、超守備的な姿勢は、元イングランド代表のジェイミー・キャラガー氏から「アルテタ(監督)はジョゼ・モウリーニョ(監督)に変貌しつつある」と皮肉られた。アルテタ監督は「状況に対応できた選手は素晴らしい」と擁護するが、これは開き直りに過ぎず、主導権を握られた際の柔軟なプランBを持たない組織の脆さを露呈している。
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