
最も安定していたクラブ
負傷者や過密日程に大きく悩まされることなく、最もメンバーを固定して戦い抜いたのはデイビッド・モイーズ監督率いるエバートンである。先発メンバーの変更回数は1試合平均わずか1.5回、さらに交代カードの使用数も平均3.4回でリーグ最少となり、最初の交代を行う時間も平均76分と最も遅かった。
これらの数字からは、モイーズ監督の「主力への揺るぎない信頼」と、FWベトやFWティエルノ・バリーら限られた交代要員を軸に戦う堅実なマネジメントが色濃く表れている。
対照的に、最も不安定だったのはチェルシーだ。スタメン変更回数は1試合平均3.2回に達し、リーグ最多を記録。ベンチの混乱ぶりが露呈した。肥大化した選手層に加え、シーズン中に2人の常任監督と1人の暫定監督が指揮を執るなど、チーム運営の不安定さが数字にも表れる結果となった。
また、興味深いデータとして挙げられるのがマンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督だ。これまで“ペップ・ルーレット”と呼ばれるほど頻繁なターンオーバーで知られてきたが、退任を控えた今シーズンは7試合で同じスタメンを継続起用。これは過去5シーズンの合計を上回る数字であり、シーズンを通して安定した陣容を重視していたことがうかがえる。
最もプレッシャーに強い選手
現代サッカーにおいて、相手の激しいマンツーマンプレスに晒されながらもボールを失わず、正確にパスをつなぐ能力は、センターバックや守備的MFにとって欠かせない要素となっている。そんな過酷な状況下で、圧巻の数字を残したのがアストン・ビラのDFエズリ・コンサだ。強いプレッシャーを受けた局面において驚異的なパス成功率94%を記録し、“最もプレッシャーに強い選手”として高く評価された。
また、ランキングにはMFロドリ、MFニコ・ゴンサレス、MFベルナルド・シウバらマンチェスター・シティの選手も多数ランクイン。チーム全体の組織力と個人の卓越した技術レベルの高さが改めて証明されている。
最も相手守備を切り裂いた選手
サッカーの基本原則のひとつである「相手陣地を越えてボールを運ぶ」という行為において、今シーズン最高クラスの能力を示したのがクリスタル・パレスのMFアダム・ウォートンだ。彼はパス100本あたり17.8回という高頻度で相手のディフェンスラインを突破するパスを供給し、MFブルーノ・フェルナンデスやMFロドリ、MFカゼミーロといったワールドクラスの名手たちを見事に抑えてリーグトップに立った。
ウォートン自身も自らのプレー哲学について「前方にパスの選択肢があれば必ず出そうとする。それがチームの得点やチャンス作りにつながるからだ。あまり深く考えすぎず、ボールをコントロールして、味方が裏に走り込んできたらゴールを決められるようにパスを出そうとしている」とシンプルかつ明快に語っている。
華やかなタイトルや主要な個人賞だけでは見えてこない、各クラブや選手たちの本当の姿を映し出してくれるのがデータである。そこから浮かび上がる戦術的トレンドやプレースタイルの変化は、これからのサッカーシーンをさらに豊かで奥深いものにしてくれるはずだ。
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