Jリーグ

【J2リーグ2025】冬の補強により戦力アップに成功したクラブ6選

写真:Getty Images

2月15日に開幕を迎える2025明治安田J2リーグ。昨2024シーズンも例年通り熾烈な自動昇格圏争いやJ1昇格プレーオフ圏をめぐる争いが繰り広げられたが、今季はJ1経験のあるクラブが11クラブと半数以上を占めておりさらに激しい戦いになることが予想される。

そんなシーズンを前に、各クラブは積極的な補強の動きを見せている。特に昨季惜しくも昇格を逃した上位勢を中心にその動きは顕著であり、J1クラブから完全移籍で選手を迎えたクラブも複数ある。ここでは、そんなJ2各クラブのなかでも今冬の補強で戦力アップに成功した6クラブについてランキング形式で紹介していく。


ジェフユナイテッド千葉 写真:Getty Images

6位:ジェフユナイテッド千葉

主なIN選手

  • GK若原智哉(京都サンガより完全移籍)
  • GKホセ・アウレリオ・スアレス(加入)※昨季まで徳島ヴォルティス所属
  • DF河野貴志(ブラウブリッツ秋田より完全移籍)
  • DF鳥海晃司(セレッソ大阪より完全移籍)
  • FW石川大地(ロアッソ熊本より完全移籍)
  • FWデリキ(アトレチコ・ゴイアニエンセより期限付き移籍)

主なOUT選手

  • GK藤田和輝(期限付き移籍期間満了に伴いアルビレックス新潟へ復帰)
  • DF佐々木翔悟(ガンバ大阪へ完全移籍)
  • DF岡庭愁人(レノファ山口へ期限付き移籍)※昨季はFC東京より期限付きで加入
  • FW小森飛絢(シント=トロイデンVVへ期限付き移籍)

2023シーズンはリーグ戦を6位で終え、6年ぶりにJ1昇格プレーオフへと進んだジェフユナイテッド千葉。残念ながら昇格は叶わなかったが、新戦力の活躍など確かな手ごたえを得て2024シーズンを迎えていた。しかし、昨季はラスト2節の上位直接対決で2連敗を喫し最終節でプレーオフ圏から陥落。またも昇格を逃す悔しいシーズンとなった。

「今季こそ昇格を」とさらにJ1への想いを強めたのは間違いないだろうが、今冬は主力の流出も多くあった。正確なフィードやロングシュートで見せ場を作ったDF佐々木翔悟や、精度の高いクロスからチャンスを量産していたDF岡庭愁人が移籍。さらに、大卒2年目にして昨季J2得点王に輝いたFW小森飛絢が海外挑戦と、攻守両面で大きな痛手と言える動きが見られた。

しかし、それでも千葉の今冬補強が成功と言える要因が新たに加わる頼もしい選手たちの存在。小森の抜けた最前線には、昨季ロアッソ熊本で10ゴールを挙げたFW石川大地が加入。2023シーズンには怪我で離脱するまでの17試合で9ゴールと得点力を爆発させており、早期にチームへフィットすれば昨季の小森超えも十分にあり得る。新外国籍選手のFWデリキも含め大いに期待できると言えよう。守備陣では、J1のセレッソ大阪よりDF鳥海晃司が5年ぶりに帰還。J2屈指の堅守を誇るブラウブリッツ秋田からDF河野貴志も加え、最終ラインも戦力の充実が図れた。

失った戦力は大きいが、それを感じさせないほどの補強が叶った千葉。昇格に向けて、攻守ともにより安定感を持って戦える見通しが立ったと言えようことから戦力アップに成功したクラブ6位とした。


ジュビロ磐田 写真:Getty Images

5位:ジュビロ磐田

主なIN選手

  • GK阿部航斗(アルビレックス新潟より完全移籍)
  • DF江﨑巧朗(ロアッソ熊本より完全移籍)
  • MF金子大毅(京都サンガより完全移籍)
  • MF藤原健介(ギラヴァンツ北九州への期限付き移籍より復帰)
  • MF為田大貴(セレッソ大阪より完全移籍)
  • MF倍井謙(名古屋グランパスより期限付き移籍)
  • FW佐藤凌我(アビスパ福岡より完全移籍)

主なOUT選手

  • DF伊藤槙人(横浜FCへ完全移籍)
  • DF高畑奎汰(V・ファーレン長崎へ完全移籍)
  • DF鈴木海音(東京ヴェルディへ完全移籍)
  • MF山田大記(引退)
  • MF平川怜(東京ヴェルディへ完全移籍)
  • FWジャーメイン良(サンフレッチェ広島へ完全移籍)

2023シーズン、最終節で2位へと浮上し逆転で1年でのJ1復帰を決めたジュビロ磐田。4名のブラジル人選手や経験豊富なベテランGK川島永嗣といった新戦力を加えて2024シーズンを迎えたが、残念ながら結果は18位でJ2降格となった。

再び過酷なJ2リーグへ戻ってしまった磐田だが、求められるのは当然1年でのJ1復帰。しかし、降格の影響からか昨季のチームトップスコアラーであるFWジャーメイン良をはじめ、これからの磐田を支える活躍も期待されたDF高畑奎汰、MF平川怜といった若手が流出。頼れる背番号「10」MF山田大記も引退し、失った戦力が大きいことは誰の目にも明らかだろう。それでも、新加入選手たちの顔ぶれを見れば十分にプラスに転じたと言える。

守備陣にはアルビレックス新潟でGK小島亨介とポジションを争ったGK阿部航斗に、昨季ロアッソ熊本で全試合に出場したDF江﨑巧朗を迎えた。さらに中盤では、サイドでのチャンスメイクに期待のMF為田大貴とMF倍井謙に加え、中央でもパス捌きやボール奪取力に定評のあるMF金子大毅を獲得。そして、最前線にFW佐藤凌我を補強しほぼ全ポジションにJ1クラスの選手が加わった。

流出した選手たちを見ると、今季に向けて懸念もあるのは間違いない。しかし、新加入選手たちは軒並みJ1でスタメンとして活躍できるような選手ばかり。悔やまれる移籍がありながらも、充実した補強となったことから戦力アップに成功したクラブ5位とした。


ベガルタ仙台 写真:Getty Images

4位:ベガルタ仙台

主なIN選手

  • DF井上詩音(名古屋グランパスより完全移籍)
  • MF武田英寿(浦和レッズより完全移籍)
  • FW宮崎鴻(栃木SCより完全移籍)
  • FWグスタボ(SCラインドルフ・アルタッハより完全移籍)
  • FW荒木駿太(町田ゼルビアより完全移籍)

主なOUT選手

  • GK小畑裕馬(アビスパ福岡へ完全移籍)
  • DF小出悠太(ヴァンフォーレ甲府へ完全移籍)
  • FW中島元彦(期限付き移籍期間満了に伴いセレッソ大阪へ復帰)

2023シーズンは16位とまさかの低迷に苦しんだベガルタ仙台。心機一転、新しい指揮官に森山佳郎氏を迎えて臨んだ昨季は開幕から7戦無敗と引き分けが多いながらも快調な滑り出しを見せ、最終6位でJ1昇格プレーオフへ進出を果たした。残念ながら決勝でファジアーノ岡山に敗れJ1復帰とはならなかったが、大いに収穫のあるシーズンだったと言えよう。

今季こそ昇格を果たすべく冬の補強に注目が集まるなか、残念ながら得点源であったFW中島元彦が所属元であるセレッソ大阪へ復帰。加えて、守備の要であったDF小出悠太や生え抜きのGK小畑裕馬といった選手たちがチームを去ったが戦力流出は最小限に抑えられたと言っていい。その上で、新戦力には2023シーズンにルーキーながらヴァンフォーレ甲府で主力としてJ2を戦いAFCチャンピオンズリーグ2023/24にも出場したDF井上詩音や、左足での正確なキックが魅力のMF武田英寿といったJ2経験のある若手が加入。そして新たな得点源になり得る選手として、長身の屈強なFW宮崎鴻に豊富な運動量を誇るFW荒木駿太、さらに過去名古屋グランパスやロアッソ熊本でのプレー経験もあるFWグスタボを獲得。最前線にも強力な選手たちを迎えた。

チャンスメイクからゴールまで、幅広い役割を高いレベルでこなしていた中島がチームを去ったことは残念だが、各ポジションに楽しみな選手たちが加わった仙台。ライバルとなるであろう昨季の上位勢と比較しても負けず劣らずの陣容を整えられたことから、戦力アップに成功したクラブ4位とした。

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名前大島俊亮
趣味:サッカー観戦、ゲーム(スポーツ、シミュレーション、アクションなど)
好きなチーム:Jリーグ全般

サッカーを中心に、スポーツやエンタメなど複数ジャンルを扱うライターとして活動しております。Jリーグを中心に、日本のサッカーファンが楽しめる記事執筆を心がけていきますのでよろしくお願いします。

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