アビスパ福岡は12月16日、金明輝新監督の就任会見を実施。サガン鳥栖監督時代のパワーハラスメント(パワハラ)行為認定をもとに、一部から「基本理念に反する」という声が挙がるなか、川森敬史代表取締役会長が前町田ゼルビア・ヘッドコーチを迎え入れた意義について説明している。
金氏は2020年まで鳥栖の下部組織やトップチームを率いていたが、監督退任後に鳥栖下部組織でのパワハラ行為が認定。日本サッカー協会(JFA)の定める規則に違反したとして、指導者ライセンスでS級からA級への降格処分、JFAの定める研修、社会奉仕活動を科された。
また2021年にJFAが公表した調査報告書の中では、当時の鳥栖下部組織所属選手から「金監督のエネルギーが強くなりすぎたときに、フロントがコントロールしてほしかった」という声も挙がっていたことが記されている。
今回の福岡監督就任を前に、福岡サポーター団体『ULTRA OBRI』(ウルトラオブリ)は声明を発表。クラブのスローガンが「感動と勝ちにこだわる」であり、基本理念に「子ども達に夢と感動を地域に誇りと活力を」といった文言が含まれていることに触れた上で、「これからもクラブの根幹である理念を大事にし、アビスパ福岡を応援する全てのステークホルダーが胸を張って後押しができるクラブであって欲しいと切に願っています」と訴えていた。
川森会長は会見で、金監督本人が二度とパワハラ行為をしない、クラブが新指揮官をコントロールするような体制作りが必要という意見に「私どもの基本理念は決して変わりません」と反応。
その上で、「監督自身が過去をしっかりと反省し、努力を積み重ねています。過去の間違いを乗り越える過程も、子供たちにとって大切な学びや刺激になると信じています。チームスポーツであるサッカーを通じて、チーム全体が新たなことに挑戦し、前進し続ける姿を子供たちに見てもらい、何かを感じてもらうことも大事なことだと確信しております」と述べたほか、「過去の問題に対する反省の姿勢、JFA研修プログラムの受講とその姿勢、関係者からのヒアリング」などをもとに招へいに踏み切ったことも明かしている。
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