来季のUEFAカンファレンスリーグ予選出場権獲得を目指して、プレーオフを戦っているベルギー1部シント=トロイデンVV(STVV)。GK鈴木彩艶やMF藤田譲瑠チマらのAFC U23アジアカップ兼パリ五輪予選日本代表メンバー選出が濃厚とみられる中、トルステン・フィンク監督の発言に注目が集まっている。
STVVは昨季終了後、ベルント・ホラーバッハ監督の後任として、かつてヴィッセル神戸で天皇杯優勝を成し遂げたフィンク氏を招へい。藤田やMF山本理仁を獲得するなど、日本人選手の入れ替えも行うと、フィンク監督のもとでポゼッションサッカーのスタイルを構築。レギュラーシーズンを9位で終えたほか、4月1日開催のプレーオフ初戦では鈴木や藤田の活躍もあり、2-0で勝利している。
ただ一方で、ベルギーメディア『Voetbal』によると、MFアブバカリ・コイタをはじめ複数選手にSTVV退団の可能性が浮上。立石敬之CEO(最高経営責任者)はベルギーメディア『TVL』の番組出演時に「オファーがあれば、選手にとってもクラブにとっても興味深いものになると思います。ステップアップ可能な選手を引き止めるつもりはありません」と移籍容認の姿勢を見せた一方で「我々は日本にいる若手選手を獲得する予定です。名前を出すつもりはありません。戦力低下を避けるという考えです」と日本人選手獲得を示唆している。
そんな中、フィンク監督は今月2日に『TVL』で「私は、情熱とビジョンを持って仕事をしたい。STVVとの契約はまだ1年残っている。クラブが正しいビジョンを持っているならば残りたい。ただ、クラブのビジョンがそうでなければ、後になってフットボールの世界でどのようなことが起こるか分かるだろう」と自身の去就に言及。
「私は嘘つきではない。STVVに残ると言うつもりだが、もし良いオファーがあれば、3週間後に去るかもしれない」と、わずか1年でチームを離れる可能性をほのめかしたのだ。
なお、STVV所属の日本人選手に関する去就では、鈴木にステップアップ移籍の可能性が浮上。『Voetbal』が今年1月に「彼がわずか1年でSTVVを離れる可能性は十分にある。すでにベルギー国外クラブから関心を寄せられている」と伝えていた。
フィンク監督はJリーグと縁があり、STVVでの日本人選手の育成に注力している。指揮官の去就が同クラブの補強戦略に何らかの影響を与えるかもしれない。
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