日本時間8月19日から22日にかけて、延期分を除くプレミアリーグ第2節(19試合)が行われた。ブライトン・アンド・ホーブ・アルビオンMF三笘薫が1ゴール2アシスト、アーセナルDF冨安健洋が先発に復帰、リバプールに加入したMF遠藤航が早速デビューするなど、日本代表選手が大活躍している。
そんな中、プレミアリーグでは今2023/24シーズンから遅延行為や判定への抗議に対する新たな基準が設けられ、ファウル数が大幅に増加していることに注目したい。イエローカードの提示数は第2節終了時点ですでに計32枚(遅延行為14枚、異議18枚)。レッドカード(退場数)は既に6枚(試合後の取消も含む)。昨シーズン同じ開幕2節終了時点のレッドカードは1枚、年間で31枚だった。
そこで、ここでは今シーズン第2節までに起きた6つの退場シーンをまとめ、その特徴と今後の警告に対する展望について見ていこう。
プレミアリーグ第1節:バーンリー対マンC(0-3)
90+2分:バーンリーFWアナス・ザルリ退場
8月12日に行われた同試合で、バーンリーFWアナス・ザルリが退場処分を受けた。
アディショナルタイムに突入し2分頃、マンチェスター・シティのGKエデルソン・モラエスがDFカイル・ウォーカーへロングパスすると、胸を使ったダイレクトパスでMFコール・パルマーとワンツー。裏に抜けたウォーカーがワンタッチで前にボールを出すと、それに対応したザルリがスライディングした。
このプレーに対して当初はイエローカードが出されるも、ここにVAR(ビデオアシスタントレフェリー)が介入。スローで見てみると、ザルリの足裏がウォーカーの左足に接触しており、イエローカードからレッドカード(一発退場)に変更された。
試合後、バーンリーのヴァンサン・コンパニ監督は「残念なことに、戦術的ファウルをしようとして、ストライカー(ザルリ)のテクニックでタックルをしたものだ」と振り返った。
プレミアリーグ第2節:リバプール対ボーンマス(3-1)
58分:リバプールMFアレクシス・マック・アリスター退場
8月19日に行われた同試合で、リバプールMFアレクシス・マック・アリスターが退場処分を受けた。
58分頃、リバプールのFWルイス・ディアスが左サイドを単独で突破してクロスをあげ、FWディオゴ・ジョッタが左足でシュート。これが相手に当たって五分五分のこぼれ球になると、ボールよりも後ろにいたマック・アリスターと、自陣ゴールを守っていたボーンマスのMFライアン・クリスティーがボールを追いかけた。
両選手が足を出してボールに触れようとしたところで、マック・アリスターの足裏がクリスティーの左足に接触し、主審はレッドカードを提示。その後VARの確認が行われたが、判定は覆らなかった。国内外で賛否両論となり、ボーンマスのアンドニ・イラオラ監督でさえ「これは退場されるべきではなかった」とユルゲン・クロップ監督の意見に同意した。
試合後、この判定に納得がいかなかったリバプールは控訴。するとFA(イングランドサッカー協会)は「独立規制委員会は(リバプールからの)申し立てを受け、アレクシス・マック・アリスターの3試合の出場停止処分を解除した」と、判定が誤っていたことを発表した。
プレミアリーグ第2節:ウルブス対ブライトン(1-4)
90+5分:ウルブスMFマテウス・ヌネス退場
8月19日に行われた同試合で、ウルバーハンプトン・ワンダラーズ(ウルブス)のMFマテウス・ヌネスが退場処分を受けた。まずは76分、ウルブスのファウルでプレーが中断されると、ヌネスが近くにあったボールをブライトン陣地方面に蹴ってしまい、1枚目の警告(イエローカード)を受けた。
そしてアディショナルタイム5分、ウルブスは後ろからボールを繋いでゴール前まで迫ると、DFウーゴ・ブエノがシュート。こぼれ球をヌネスがトラップしてシュートまで持ち込もうとするも、ブライトンDFアダム・ウェブスターが目の前に入り、ボールはゴールラインを割った。すると、ヌネスはウェブスターと間に入ったブライトンDFペルビス・エストゥピニャンを突き飛ばした。
もちろん、これでヌネスは2枚目のイエローカードを受け累積で退場となった。
プレミアリーグ第2節:フラム対ブレントフォード(0-3)
64分:フラムDFティム・リーム退場
8月19日に行われた同試合で、フラムのDFティム・リームが退場処分を受けた。まずは前半ロスタイム。ブレントフォードが後ろからボールを繋いで攻撃し、MFヨアヌ・ウィサがハーフウェーラインでボールを受けると、後ろからプレッシャーをかけていたリームが同選手を倒してしまい、1枚目のイエローカードを受けた。
そして64分、ブレントフォードのコーナーキックからの流れでDFリコ・ヘンリーがクロスを上げ、MFクリスティアン・ノアゴールとMFケヴィン・シャーデが頭で繋ぎ、ウィサに絶好のシュートチャンスが訪れる。リームはウィサを倒してしまい、強いチャレンジをしていないことを主張するように手を上げて対応したものの、2枚目のイエローカードを提示され累積退場となった。
試合後、フラムのマルコ・シルバ監督は「ペナルティキック(PK)と退場(の判決)に驚いた。私たちはこの瞬間に試合(勝ち点)を失った。この状況(PKと退場の判決)には誰もが驚くべきだと思う」「ティム・リームはボールに行き、相手を倒そうとしなかった。何もしなかった」「試合の負けは審判のせいではないが、明らかにペナルティはなかった」と、英メディア『スカイスポーツ』を通じて言及した。
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