Jリーグ 清水エスパルス

清水MF乾貴士、町田戦ブチギレも「カード出しにくい」ワケ。元審判説明

乾貴士 写真:Getty Images

 清水エスパルス所属MF乾貴士は、20日に行われた明治安田生命J2リーグ第31節FC町田ゼルビア戦でイエローカードを貰った際、先立圭吾主審に不満を爆発。同選手の激昂ぶりが話題を呼ぶ中、元審判員の家本政明氏が、清水所属MF中山克広の対応に言及している。

 この一戦では、町田が前半38分にカウンターを発動。MFバスケス・バイロンがドリブルで駆け上がる際、センターサークルで乾に後ろから倒される。主審はプレーを止めて乾にイエローカードを提示。すると乾は激しい口調で抗議。2枚目のイエローカードが提示されてもおかしくなかったが、中山が間に入って乾を主審のもとから引き離している。

 このシーンは、DAZN制作番組『Jリーグジャッジリプレイ』で議論の対象に。家本氏は乾の抗議に反応する素振りを見せなかった先立主審の対応について「選択肢のひとつ」と認めつつも、日本サッカー協会(JFA)が「異議に対して毅然と対応する」というメッセージを打ち出していることに触れた上で「このメッセージが審判の対応で守られているかとなれば、ハテナがつく」と私見を述べている。

 また家本氏は、中山ら清水所属選手が乾と主審の間に入ってきたシーンにも着目。「チームメイトができるだけ感情的になっている選手の間に入って、『ごめんなさい』と審判に言いながら『(感情的になっている選手に対して)もう分かった』とやる方が、審判としてはカードを出しにくい。チームとしては、そうした対応をもっと早くする方法もあった」と、他選手の振る舞いが審判の気持ちに与える影響を解説している。

 なお乾は61分に同点ゴールをあげるなど、清水の逆転勝利に大きく貢献。主審への執拗な抗議にもかかわらず退場とならなかっただけに、中山の振る舞いが功を奏した格好だ。