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「遠藤航の移籍金2.4億円は破格」シュツットガルト財政難で今夏移籍か

遠藤航 写真:Getty Images

 VfBシュツットガルト所属の日本代表MF遠藤航は、21日に行われたブンデスリーガ(ドイツ1部)第33節マインツ戦で1ゴール1アシストをマーク。ブンデスリーガ残留を手繰り寄せる勝利に大きく貢献しただけに、地元メディアから称賛を浴びている。

 遠藤は2019年8月にベルギー1部シント=トロイデンVV(STVV)からシュツットガルトへ移籍。加入1年目から多くの出場機会を得ると、昨季からキャプテンとしてチームをけん引。今季も2度の監督交代がありながらも公式戦ほぼ全試合で先発出場している。

 そんな中で迎えたマインツ戦では前半41分に同点ゴールを奪取。2-1で迎えた78分には貴重な追加点をアシストするなど、2ゴールに絡む活躍で勝利に貢献。チームは最終戦のみを残す中、2部自動降格圏を抜け出して15位に浮上している。

 ドイツメディア『zvw』は「シュツットガルトでキャプテンの遠藤航が試合をコントロールする」と見出しをうち、プレースタイルや人格を特集。同選手のキャプテン像について「遠藤は異色のキャプテンだ。拡声器ではない。負けた後に言い訳せず、勝った後に声を張り上げることもほとんどない。公の場での発言がほとんどない。その焦点はたいていの場合、他者に向けられる」と、寡黙な一面を紹介している。

 その上で同メディアは「シュツットガルトはSTVVから30万ユーロ(約3600万円)のレンタル料で遠藤を獲得し、後にわずか170万ユーロ(約2億円)で完全獲得した。この200万ユーロは、シュツットガルトにとって過去10年間で最も賢明な投資であったことは間違いない」と、同選手の格安獲得を称賛している。

 一方でドイツ紙『Heidenheimer Zeitung』は先月末に「ブンデスリーガ残留争いの行方に関係なく、この夏も移籍金収入により黒字を達成しなければならない」と報道。「キャプテンの遠藤もFIFAワールドカップ・カタール大会前に『今でもプレミアリーグ挑戦という目標を持っています』と語っていた」と、放出候補に遠藤ら複数選手が含まれている可能性を伝えていた。

 本人は2021年9月、ドイツ誌『ビルト』のインタビューで「プレミアリーグでのプレーは僕の夢です」とコメント。将来的なプレミアリーグ挑戦に対する思いを明かした一方、シュツットガルトに対する愛着も強調している。シュツットガルトが200万ユーロという破格の移籍金で同選手を獲得しているだけに、高額売却に踏み切る可能性も考えられる。