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浦和、ACL決勝の埼スタ開催交渉継続!W杯予選開催で田嶋幸三に批判噴出

浦和レッズのゴール裏 写真:Getty Images

 明治安田生命J1リーグ・浦和レッズは20日、「ACL2022決勝 第2戦の試合会場について」と題した声明を発表。埼玉スタジアム2002でのAFCチャンピオンズリーグ決勝2ndレグ開催にこだわるクラブの姿勢に称賛の声が寄せられている。ただ一方でスタジアムの改修工事を延期して今年1、2月にFIFAワールドカップ・カタール大会アジア最終予選が開催されたことから、行政や日本サッカー協会(JFA)に対する批判の声も上がっている。

 浦和レッズは昨季の天皇杯優勝により、今季のACL出場権を獲得。グループステージ東地区を4勝1分1敗で突破すると、日本開催の決勝トーナメントではジョホール(マレーシア1部)、BGパトゥム・ユナイテッド(タイ1部)、全北現代(韓国1部)を撃破。

 特に埼玉スタジアム2002で行われた準決勝・全北現代戦では、延長後半終了間際の120分にデンマーク人FWキャスパー・ユンカー(28)の劇的ゴールで同点に追いつくと、浦和レッズサポーターの強烈な後押しもありPK戦で3-1と勝利していた。

 ACL決勝は来年2月19日に1stレグが開催予定であるほか、2月26日に浦和レッズのホームで2ndレグが行われる。ただ2ndレグの試合会場については、埼玉スタジアム2002で芝の張り替え工事の時期と重複することもあり、現時点では未定となっている。

 その中、浦和レッズは試合会場に関する経過報告を発表。「ACL決勝を埼玉スタジアム2〇〇2(埼スタ)で開催し、優勝することが、浦和レッズを愛する全てのみなさまの願いであり、クラブとしてもその情熱は今も昔も変わりません。記憶に新しいACL準決勝では、多くのファン・サポーターのみなさまがホームアドバンテージを活かした「THIS IS 埼スタ」の雰囲気を作ってくださいました」

 「だからこそ、選手は熱くなることができ、走り、そして闘えました。ACL決勝もファン・サポーターのみなさまと共にそうした埼スタを創り、闘いたいとクラブは考えています。その為、埼玉県及び関係各所との調整を行っております」と記した上で、以下のように埼玉県との交渉内容を明らかにしている。

 「ACLでのチームの決勝進出決定を受け、私どもから埼玉県担当者に対し、日本サッカー協会(JFA)の求めに応じる形で埼スタの芝改修工事が延期されたことと同様に、埼スタでのACL決勝開催の実現のため、実施時期の1年延期を打診いたしました。しかしながら、県として「既に施工準備が進んでいることから、延長はできない」との公式回答がございました」

 「JFAからの打診時も今回と同様、施工準備が進む中で1年延期できたという事実がある為、引き続き交渉を試みたく考えております。なお、JFAが2021年10月末に県に対して要望書を提出し、県知事より開催協力が可能と回答した2021年11月時点では、ACL決勝は従来通り2022年11月の開催が予定されていた為、クラブとしては事前対策を行うことは不可能でした」

 「決勝戦終了後となる2023年3月からの施工開始、或いは工期短縮を打診いたしました。決勝戦終了後となる2023年3月からの施工とした場合、工期終了は9月以降となり2023シーズンの大半が使用不可となること、工期の短縮については今回予定されている改修工事は芝生張り替えに限定せず、地温コントロールシステムの入れ替えを含む大規模な修繕工事である為、物理的に難しいとの公式回答がありました。その為、工期短縮は不可能と判断いたしました」

 「埼玉県担当者からは、私どもと埼玉県が2022年3月に、2022シーズン終了後から2023年4月中旬までの期間に埼スタの芝改修工事を実施することについて両者間で既に合意済みであることを前提としたご説明とともに、上記の通り、対応できない旨の公式回答がございました」

 「クラブといたしましては、県担当者からの回答を受けた後も、埼スタでの決勝戦開催の可能性を高める方策の検討を継続しておりますが、コロナ禍で失われたクラブの経営体力に鑑み、浦和レッズの自助努力のみでそれを覆すことは到底できません。クラブのみでなく、ファン・サポーターのみなさまと共に、埼スタでACL決勝を開催できる方法を最後まで諦めずに模索し続けてまいります」

 「また、上記の交渉に並行し、浦和レッズからアジアサッカー連盟(AFC)に対し、ACL決勝の開催日程変更を求める要望書を、JFA田嶋幸三会長、Jリーグ野々村芳和チェアマンのご協力のもと提出させていただいております。みなさまと共に出場する国際大会の決勝で3度目のアジアチャンピオンになるべく、埼スタという舞台での開催を最後まで諦めたくないと考えております」

 そしてクラブは「埼玉県、そして浦和(現さいたま市)という地域で30年間活動してきた事実は私たち浦和レッズの誇りであり、決してぶれることのない軸足です。クラブは、埼スタでの開催を諦めておりません」

 「埼玉県とは引き続き、協力関係を築きつつ、埼スタでの開催を見越した工期延長やAFCへの日程変更の打診等を行い、みなさまのおもいがピッチ、そして選手たちに届く、浦和らしい世界に誇れるサポート環境を整えるべく、最大限の努力を行ってまいります」と埼玉スタジアム2002での開催にこだわる姿勢を打ち出すと、「頑張ってください!」、「このクラブ本当に最高!」、「絶対に諦めるな!」といった激励のコメントが寄せられている。

 ただ日本代表戦については芝の張り替え工事延期が容認されたこともあり、「田嶋幸三には協力じゃなくて処分を求める」、「JFAが悪い」、「なぜ日本代表戦は延期できるのか」といったJFAや田嶋幸三JFA会長に対する批判が噴出。

 「なぜこうも道理が通らないことばかりなのか」、「大野、レッズサポを敵に回したら次はないぞ」と大野元裕埼玉県知事に対する反発の声も上がっている。