Jリーグ ヴィッセル神戸

神戸ムゴシャ獲得報道に「移籍金の安さが…」Jリーグに韓国メディア警戒

ステファン・ムゴシャ 写真:Getty Images

 明治安田生命J1リーグのヴィッセル神戸は、Kリーグ1(韓国1部)仁川ユナイテッドからモンテネグロ代表FWステファン・ムゴシャ(30)を獲得が決定的と伝えられている。このムゴシャの電撃移籍報道をうけて、韓国国内では移籍市場におけるKリーグの地位低迷を懸念する声が上がっているようだ。

 ムゴシャは仁川ユナイテッド加入1年目の2018シーズンからリーグ戦で2桁ゴールをあげると、今季はここまでリーグ戦17試合中15試合の先発出場で14ゴールをマーク。およそ4年半におよぶ仁川ユナイテッドの在籍期間で68得点と、韓国国内屈指のストライカーとして活躍していた。

 しかし、今月24日になってムゴシャのヴィッセル神戸がほぼ確実になったと、『朝鮮日報』をはじめ複数の韓国紙が一斉報道。仁川ユナイテッドと同選手の現行契約に契約解除条項が盛り込まれており、ヴィッセル神戸が契約解除金を上回る100万ドル(約1億3500万円)の移籍金を支払うと伝えている。

 韓国メディア『ネイト』は27日、「Kリーグは“売るリーグ”になりつつある…安くなる移籍金の実態に迫る」という見出しをうち、「アジア最高峰を誇るKリーグは、数年前からサッカー人材市場とも言われている。選手たちの卓越した技術に疑いの余地はない。しかし、彼らを守る財力が確保できないため、2,3倍の年俸提示が可能な中東、日本、中国への移籍が繰り返される」と韓国サッカー界の現状を説明している。

 つづけて「驚異的なペースでゴールを量産するムゴシャも例外ではなかった。今シーズンのKリーグ1得点王は25日、FCソウルとのアウェイゲームを終えた後、J1リーグ最下位に沈むヴィッセル神戸への移籍を認めた」とムゴシャの去就に言及。

 「ムゴシャの移籍では、移籍金の安さが目を引く。得点王ペースで走る選手が、わずか100万ドルでユニフォームを変えるのだ」と移籍金額が同選手の価値に見合っていないと主張する。その上で移籍金が安い理由については、Kリーグで活躍する代理人の話として「ムゴシャは昨年、コロナの影響で9ゴールしか挙げられなかったため、買い取りが比較的低い価格に設定された」と伝えている。

 なお、契約解除金満額の支払いによる韓国から日本への移籍では、今年2月にU23韓国代表FWオ・セフン(23)が蔚山現代から清水エスパルスへ完全移籍。清水エスパルスは契約解除金満額の18億ウォン(約1億7300万円)支払いという条件でオファーを提示したことにより、オ・セフンの獲得に成功したと韓国国内で伝えられている。