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久保裕也のボランチ終了が仇に…監督解任後も解消されないチーム事情とは…

KAAゲント在籍時の久保裕也 写真提供:Gettyimages

 元日本代表MF久保裕也(27)を擁するメジャーリーグサッカー(MLS)のFCシンシナティは、監督解任後もリーグ戦で2連敗を喫している。チームの調子が上向かない中、FCシンシナティを扱う専門サイト『CINCINNATI SOCCER TALK』は5日、同選手のポジション再転向がチーム全体の戦い方に悪影響を与えていると指摘した。

 FCシンシナティはヤープ・スタム監督のもとで今シーズンに臨んでいたが、イースタン・カンファレンスでここまで27試合を消化し4勝8分15敗と最下位に低迷。また、今年8月1日の第13節・DCユナイテッド戦から4試合つづけてドローに終わると、以降は1勝8敗と黒星が先行。これを受けて、クラブ首脳陣は先月27日にスタム監督を解任しており、下部組織を率いるタイロン・マーシャル氏が暫定的にトップチームを指揮している。ただ、監督解任後も先月30日に行われたトロントFC戦で2-3と敗れると、今月3日のニューヨーク・レッドブルズ戦では0-1と黒星を喫している。

 一方、久保裕也は昨年1月にFCシンシナティに移籍。昨季はトップ下やウイングなど攻撃的なポジションでの起用が続いていたが、今季はスタム前監督のもと主戦場をボランチへ転向。ここまでリーグ戦で23試合に先発出場し、中盤センターでレギュラーに定着。くわえて、先月中旬の時点ではタックル成功回数が「42」と、MLS全体1位の記録をマークしていたが、監督解任後は左ウイングで再び攻撃的な役割が与えられている。

 その中、『CINCINNATI SOCCER TALK』はマーシャル暫定監督における最も大きな変化として、久保裕也が中盤センターではなく左サイドで起用されていることがあると紹介。これまで中盤でのボール奪取やポゼッション時に相手のプレッシャーを交わして前線へパスを供給する役割を果たしていた同選手の穴は埋まらないと主張している。

 くわえて、FCシンシナティが今シーズン序盤から左サイドの攻撃的なポジションにおけるクオリティに欠けていることを認め、久保裕也の起用でも改善に兆しは見られないと指摘している。

 ボランチでのプレーに慣れていた久保裕也の起用法変更が周囲で議論の対象となる中、同選手としてはチーム内で浮上のきっかけを生み出すようなプレーを発揮したいところだ。