柏レイソル戦(10月24日)で勝利へと導くゴールを決めたヒーローは一夜にしてダークサイドへ。
ガンバ大阪は10月26日、所属するFWアデミウソンが道路交通法違反の容疑で任意捜査されたことを受け、同選手に謹慎処分を下した。言わずもがな酒気帯び運転及び報告義務違反は許されることではない。捜査終了後に改めて処分を決定するとのことだが、おそらく契約解除は逃れられないだろう。
思わぬ形で主力看板を失ってしまったガンバ大阪には、ここで「FWをどのようにローテーションするか」という課題が浮上した。
ガンバ大阪は今シーズン「2トップ」を一貫している。対戦相手に応じて、アデミウソン、パトリック、宇佐美貴史、渡邉千真の中から2トップを組み合わせて試合に挑むことが多かった。パトリックの活躍により今シーズンの攻撃陣は視界良好と言いたいところだが、相対的に見るとチームが今シーズンの得点数はリーグ中位であり、渡邉千真含めて年齢的な背景からも、今シーズンのゴール量産体制は今後も安定するかどうかは不透明だ。これから最盛期に入るであろうアデミウソンを起用できないことは痛恨の極みである。
11月14日現在、ガンバ大阪はリーグ2位。このまま行けば来シーズンは2016年以来となるAFCチャンピオンズリーグ出場権を手にする。長距離移動や過密日程などからも来シーズンは相当ハードなシーズンになることに違いない。
今後このFW問題をどのように解決すれば良いか。考えられる選択肢を提起したい。
①小野裕二を起用する
右膝前十字靭帯損傷により現在負傷離脱中だが復帰後に与えられる役割は変わっているかもしれない。今シーズンより新天地をガンバ大阪に移し、MFでの起用が多かった小野裕二だが、前所属のサガン鳥栖では2シャドーや2トップを任されることもあり攻撃的なセンスは折り紙付き。
またガンバ大阪はFCソウルに所属するMFチュ・セジョンの獲得に名乗りを上げており、MFの選手層を厚くすることからも、小野裕二を1列前で起用することは現実的だろう。
②唐山翔自をスカッドに入れる
今シーズン遂にJ1デビューを果たし、トップチームへ出場機会を移しつつある若武者を主力として加えるのはどうだろうか。まだ18歳という若さともなれば経験値の部分で見劣りするが、かつての宇佐美貴史のように試合を重ねながら成長した例もあり込められる期待も大きい。
アデミウソンの謹慎処分発表後から彼の出場機会が増えているのは、宮本恒靖監督が考えるチームの構想に入るかどうかを検証しているからなのかもしれない。
③一美和成を呼び戻す
かつて宮本監督とともに戦った一美和成と再会することも解決策になると考える。昨シーズンは京都サンガFCで17ゴールを記録。今シーズン横浜FCへ期限付き移籍をしており、その横浜FCでは4ゴール2アシストとJ1リーグでも十分通用するレベルにまで達している。
決定力だけでなくフィジカル負けしない強さを併せ持ち、前線でボールを収めることを可能にしてくれる点はアデミウソンと重なる部分がある。なお期限付き移籍期間は2021年1月31日までであり、彼の去就がどうなるのか注目が集まる。
④外国人選手を獲得する
長年ガンバ大阪に寄り添ってきた人からすれば、FWがパトリックだけではお口が寂しいと思ってしまうだろう。これまでのガンバの躍進にはFW外国人選手なしには語れないからだ。これを機に新たな補強に動くというのも作戦の1つかもしれない。
コロナ禍においてクラブ経営が厳しい状況下、これまでと比べて選手獲得のハードルは高いため、Jクラブからの期限付き移籍による獲得が現実的な方法だろうと考える。
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